おいしい食べ物について語る時に欠かせないワード「旨味(うまみ)」。皆さん、旨味についてどのくらいご存知でしょうか?おいしい味ってどんな味?しょっぱい?甘い?それとも…?そんなハテナがいっぱいの旨味について、ご紹介していきたいと思います!
おいしさとは違う、旨味
まず基本から確認ですが、一般的に似たような意味で使われがちな「おいしさ」と「旨味」はまったく異なるものです。おいしさというのは、料理の味はもちろん、香りや食感、見た目、さらには食事中の環境や食事する本人の健康状態・気分まで、全ての要素を合わせて評価した際の指標です。つまり、おいしさは「食べる」という行為の全てを評価します。
そして旨味は、このおいしさを決める基本的な最初のステップの一要素。旨味が影響し、結果としておいしさになる。そんな関係だと思ってもらえればわかり易いでしょう。
旨味は5大「基本味」のひとつ
旨味はおいしさという結果に影響するひとつの要素でしたね。おいしさをつくる要素は他にもたくさんありますが、中でも味は非常に重要なポイント。旨味は、この味を構成する基本味のうちのひとつです。
基本味は、甘味、酸味、塩味、苦味、そして旨味の5つ。漢字を見ると、旨味以外はどんな味だか、想像できますよね。旨味は、想像も表現もしにくい基本味ですが、たしかに存在するのです。
旨味の発見者は我らが日本人
不思議な存在の旨味。得体の知れない感じがしますが、それもそのはず。実は、この旨味の存在、つい最近までは知られていなかったのです。確かな旨味の存在を発見したのは、他でもない日本人でした。戦前の化学者、池田菊苗博士(1864年ー1936年)がその人です。
彼は1908年、旨味の成分をグルタミン酸(アミノ酸の一種)と科学的に特定しました。ですが、世界の科学者たちはなかなか納得せず、世界的に認められるようになったのは1980年代になってからでした。ちなみに池田博士が旨味を発見するきっかけとなった食べ物は、昆布だしを使った湯豆腐だそう。湯豆腐が発見に結びついた旨味は現在、「UMAMI」として世界的に利用される用語になりました。
色々な食材に含まれる旨味
池田博士が発見したグルタミン酸は、昆布や緑茶、いわしなど、日本食で大活躍の食材に含まれています。また欧米の食材で言うとパルメザンチーズやトマトにも含まれるそうです。
あれ?だしの代表・かつお節は?と思われた方!鋭いです!実は、旨味のもととなる成分はグルタミン酸だけではありません。代表的なものに、イノシン酸とグアニル酸があります。イノシン酸が含まれるのが、かつお節、煮干し、鶏ガラなどの肉類・魚介類。グアニル酸は干し椎茸に含まれる旨味成分です。
旨味を大切に味わおう!
やっとの思いで認められた旨味は、日本食に欠かせない重要な成分でした。なんとも捉えにくいですが、確かに存在しておいしさに大きく影響する旨味。成分を発見した池田博士の食への情熱に脱帽ですね。出汁をとるとき、ほっとするおいしさを味わうとき、見えない旨味のパワーに思いを馳せてみてください。
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