コラム

日本発祥じゃなかった!?「天ぷら」の歴史

和食の料亭で必ずと言っていいほど出てくる料理「天ぷら」。また、食卓に出てくると、子供も大人も喜ぶ料理ですよね。そんな日本人ならみんな大好き「天ぷら」。

実は、日本発祥の食べ物ではないんですよ!

今回は、日本での「天ぷら」の歴史や、その語源、地域による違いなどを、ご紹介します。いつも食べている「天ぷら」の意外な事実を知れるかも、、、!?

「天ぷら」は室町時代に外国から伝わった?

女性

今では、代表的な日本料理ともなっている「天ぷら」ですが、元は南蛮料理。日本に伝わったのは、今から約450年前、室町時代のこと。

1543年に鉄砲がポルトガルから日本に伝わったことは、ご存知の方が多いと思いますが、「天ぷら」は、その鉄砲伝来とほとんど時を同じくして、その頃に日本に伝わったと言われています。ただ、その頃の日本は、油が貴重品だったので、調理に大量の油を使う「天ぷら」なんてめったに作ることができませんでした。

庶民の大衆料理となるのは、菜種油の製造が飛躍的に伸びた江戸時代のこと。江戸時代になると、屋台でも「天ぷら」が振舞われるようになり、庶民が気軽に「天ぷら」を楽しめるようになりました。屋台では、手が汚れないように、「天ぷら」を串に刺して供していたと言われています。また、種には、江戸湾で取れるあなご、芝海老、こはだ、貝札するめなどが使われていたようです。

ちなみに、江戸時代、「そば」「すし」「天ぷら」の3つを総称して、「江戸の三味」と言っていました。確かに、この3つは江戸ッ子が好きそうですね!

さらに、時代が下ると、「天ぷら」は”高級品”というイメージが付くようになります。というのは、江戸時代後期(安政期1854~1859年)には、屋台ではなく、店構えの「天ぷら」屋が登場し、料亭でも「天ぷら」が出されるようになるのです。

このことにより、今まで庶民の食べ物だった「天ぷら」が格上げされてしまうのです。この流れは明治時代以降、そして現代にまで続く流れです。

とは言っても、現代では、「天ぷら」は、料亭などで出される”高級品”というイメージだけではなく、家庭でも作ることのできるので、”庶民のごちそう”というイメージもありますよね。

お母さんの作る「天ぷら」が好きな方も多いのではないでしょうか?

「天ぷら」の語源は諸説ある

はてな

「天ぷら」が南蛮料理だということは、先ほどご紹介しました。となると、気になるのが、「天ぷら」の語源。日本発祥の食べ物じゃないんだから、どこかの国の言語なのかな?それとも、元からある日本語を当てはめたのかな?

いろいろな想像が浮かびます。ここでは、「天ぷら」の語源説をご紹介します。

ポルトガル語「テンポラ」説

ポルトガル語の「テンポラ」は、「四季の斎日」を意味する言葉です。「四季の斎日」とは、季節の初めの3日間に祈りと節食をする習慣のこと。この期間中は、食肉が禁止なので、魚などに小麦粉をつけた料理(フリッターのようなもの)が食べられるようです。この料理が、当時来日していた宣教師により日本に伝わり「天ぷら」になったのではないか、というわけです。

ポルトガル語「テンペロ」説

ポルトガル語「テンペロ」は、「料理」「調味料」を意味する言葉です。「天ぷら」も料理なので、関係あるのではないか、といったところででょうか。

スペイン語「テンプロ」説

スペイン語「テンプロ」は、「寺」を意味する言葉です。お寺と「天ぷら」はあまり結びつかない気がしますが、確かに「天ぷら」と「テンプロ」で音は似ていますね。

「あぶら(天麩羅)」の読み替え説

「あ(天)」「ぶ(麩)」「ら(羅)」と当て字で使われていた漢字を読み替えて「てんぷら」とした、という説です。

中国語説

中国の古い料理には、肉の油揚げの「塔不刺(タアフラ)」というものがあるそうです。「天ぷら」はその語が訛ってできた語なのではないか、という説です。

他にも諸説あるのですが、確かなことはわからないそうです。考えてみれば「天ぷら」ってちょっと日本語にはない音感ですよね。どうやってできた語なんだろう?

謎は深まるばかりです、、、。

地域による違い

日本

みんなが大好きなことに変わりはないのですが、「天ぷら」は、実は、「関東風」と「関西風」の2つの種類があるのです。この2つは、「種」「衣」「油の種類」「揚げる温度」「付けるもの」で違いがあります。

「関東風」では、魚などを種にして、卵の入った衣をつけ、高温のごま油で揚げます。そして、食べる時には、ダシの効いたつゆにつけ、大根おろしを添えて食べるのが一般的。

一方、「関西風」では、野菜などを種にして、小麦粉だけの衣をつけ、低温のサラダ油で揚げます。そして、お塩を少しつけて食べるのが一般的だと言われています。

「関東風」も「関西風」も、どちらもおいしそうですね!

おわりに

いかがでしたでしょうか?

みなさんの知らなかった「天ぷら」の一面をご紹介できていたら幸いです。私たちがよく食べている料理にも、知らないことがたくさんあるんですね!

みなさんのお好きな料理の歴史や語源について調べてみたら、おもしろいかもしれませんね。

天ぷらを盛り付けるのにおすすめなお皿3選

【波佐見焼】油落とす皿 5枚セット

参考価格:6,050円 ※変更の可能性あり
サイズ:15.4×15.4×1.4cm
セット内容:5枚セット
素材:磁器(波佐見焼)

【美濃焼】藍凛堂 線描牡丹 RI輪花五〇 深皿

参考価格:700円 ※変更の可能性あり
サイズ:縦17×横17×高さ3.5cm
素材:磁器(美濃焼)
備考:電子レンジ・食器洗浄機使用可、オーブン使用不可

【美濃焼】古青藍 藍七宝 丸皿

参考価格:2,200円 ※変更の可能性あり
サイズ:縦23.4×横23.4×高さ3.8cm
素材:磁器(日本製)
備考:電子レンジ・食洗機可、オーブン不可

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