鳥を使って魚を獲る、そんな場面を目にしたことはありますか?
実際に見たことがなくてもテレビなどで見て知っている方もいるでしょう。
昔からある漁法、鵜飼について詳しくお伝えします。
鵜飼とはなにか
鵜飼とは、先に述べた通り鵜(う)という鳥を使った漁法の一種です。日本だけでなく中国でも行われています。
日本では岐阜県、京都府、大分県、山梨県、愛知県など関西が中心です。
鵜を操る鵜匠が十数羽の鵜を連れて川へ行き、鮎などの魚を獲ります。
奈良時代あたりから始まっているといわれ、約1300年の歴史があります。
実はこの鵜匠には国家公務員とされている人たちもいて、その宮内庁式部職鵜匠の肩書を持つのは全国にたった9人しかいません。
全員世襲制で、女性はまだいませんが、宮内庁式部職以外の鵜匠の中にはわずかですが女性もいて、大変人気があるようです。
鳥が魚を獲ってくれる?
鵜飼は多くの場合、夜暗くなってから行われます。
鵜の首には紐が巻いてあり、一定の大きさ以上の魚は喉でとどまり胃まで入らないようになっています。
その後鵜に魚を吐き出させる、というわけです。
鵜が魚を飲むと魚は鵜の食道で一瞬でショック死するため、人間が普通に獲るよりも高い鮮度を保つことができます。
そのため鵜が獲った鮎は「鵜鮎」と呼ばれ大変貴重な高級食材として扱われています。
鵜鮎には鵜のくちばしの跡がついているのでそれが目印です。皇居や伊勢神宮などの献上品にも使われています。
行きたくなってきたら・・・
伝統的な鵜飼を見てみたくなったらどこに行けばよいのでしょうか。鵜飼を行っている有名な川をご紹介します。
岐阜県/長良川
毎年5月11日〜10月15日まで行っています。(増水時は中止など例外あり)とても有名で人気のある場所です。上で書いた宮内庁式部職鵜匠の鵜飼を見ることができます。
京都府/宇治川
例年は6月中旬〜9月上旬頃。今年は7月1日〜9月30日でした。珍しい女性鵜匠がいます。一見の価値あり!
山梨県/笛吹川
例年7月〜8月頃。今年は7月20日〜8月19日でした。舟を使わず漁をする徒歩(かち)鵜をしています。なんと鵜匠の体験もできるんです!(1日2名限定)
体験できるところもあったのですね。驚きです。予約が必要なこともあるので行く際は事前に確認することをおすすめします。
終わりに
鵜飼を行っている場所は全国でも数が少ないので、行くと決めてちゃんと調べてから行かないとなかなかお目にかかることはありません。
夜の鵜飼では花火もやるところなどがあったりします。伝統と風流を楽しむことができて、まさしく一石二鳥ですね。