大館曲げわっぱ

大館曲げわっぱの歴史~軽さ、美しさ、柔らかさ~

大館曲げわっぱの歴史を年代別にかんたんに紹介

約1300年前
秋田県での曲げわっぱの制作が始まる。きこりが杉の柾目板を使用して曲げ物を作成したとされる。

10世紀初頭(平安時代の頃)
大館郷土博物館に所蔵されている曲げわっぱが制作されたと推定。その形は現代のものとほぼ同じ。

17世紀後半
曲げわっぱの制作が産業として確立。佐竹家の西家が下級武士に副業として奨励。
製品は山形県、新潟県、関東などへ流通。

江戸時代末期 - 近代
大館曲げわっぱの技法が職人たちに受け継がれる。しかし、プラスチック製品の普及により一時的な衰退期を迎える。

1980年
大館曲げわっぱが国の伝統的工芸品に指定される。

2020年時点
曲げわっぱの伝統的工芸品指定は大館曲げわっぱのみとなる。

大館曲げわっぱの歴史(詳細)

大館曲げわっぱの歴史は、約1300年前に秋田県で始まりとされており、きこりが杉の柾目板を使って曲げ物を作ったのが始まりとされています。この技法の証拠として、秋田県大館市にある「大館郷土博物館」には、10世紀初頭(平安時代の頃)に制作されたと推定される曲げわっぱが展示されており、その形は現在のものとほぼ同じです。

17世紀後半には、大館城主として知られる佐竹家の西家が、領内の豊富な秋田杉の利用価値に注目。下級武士に副業として曲げわっぱの制作を奨励し、この動きが地域の産業としての確立につながりました。作られた製品は、山形県や新潟県、関東等にも運ばれ、流通を拡大していきました。

しかし、近代に入りプラスチック製品などの普及により、一時期、大館曲げわっぱの生産は衰退の時期を迎えました。それでも、1980年に国の伝統的工芸品に指定されるという名誉を得ることで、再び注目を浴び、秋田を代表する特産品へと成長しました。なお、曲げわっぱの伝統的工芸品指定は、2020年時点で大館曲げわっぱのみであるとされています。

製品としての魅力は、東北の厳しい寒さの中で育った天然杉の美しい木目や、シンプルな自然素材を生かしたデザインです。また、桜の皮も使用されることがあり、以前は接着の補強として利用されていたが、現在ではデザインの一部としても活用されています。これらの特徴は、現代のライフスタイルや感覚にも合っており、多くの人々に愛され続けています。"

-大館曲げわっぱ