「お米には神様がいるから、一粒も残しちゃだめ!」
私は小さい頃、そんな風に教えられたことがあります。似たような話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
でも、実際のところ、お米に宿る神様ってどんな人…?
今回は、日本各地に伝わる、お米の神様について調べてみました。
「お米」に関する神様はたくさん
「一体誰なのか」ということですが、実はお米に関連する神様はたくさんいるようです。そもそも神様と言っても、いろいろな宗教が入り混じった日本では地域や家庭で大きな違いがありますよね。お米の神様も、信じる人によって「誰か」が決まってくるということでしょうか。
それでは日本に伝わるお米に関する神様の説を三つご紹介します。
ニニギノミコト(瓊瓊杵命)
日本神話に登場するニニギノミコトはお米に深く関連しています。この神様は、太陽、光、慈愛、真実、秩序を象徴し、日本神話において最も尊い神様であるアマテラスオオミカミ(天照大御神)の孫にあたるそうです。
日本がもっと豊かで幸せな国になるように、と願ったアマテラスオオミカミは、ニニギノミコトを現在の宮崎県、日向国高千穂峰(ひゅうがのくにたかちほのみね)に送りました。その際、アマテラスオオミカミはニニギノミコトに、稲を渡したのだそうです。
この稲をニニギノミコトが食物として植えたことで、日本は稲が豊かに実り、食べ物に困ることのない平和な国になりました。つまり、日本神話によるとニニギノミコトは、日本の稲作の始まりの神様なんですね。
稲荷神
みなさんご存知、お稲荷様も、お米に関係が深そうです。漢字を見ても、想像しやすいですよね。
現在は商業や産業を広く守護する神様として知られる稲荷神ですが、稲荷(イナリ)の語源は稲成(イネナリ)。稲を育て、豊作をお祈りする際に祀られた神様なのです。日本の食の中心である農業の神様ですから、全国津々浦々に祀られているのも納得ですよね。
大黒天
三人目の候補として、仏教の世界からのご紹介です。大黒天は七福神の一人として有名ですよね。福徳や財宝をつかさどるありがたい神様です。
米俵のうえに立っているイメージがありますので、こちらもやはり「お米の神様」候補として有力です。「毎日ご飯を供えてお参りすれば、食べ物に困ることはない」というお告げがあったという話が残されていることからも、食の中心にある神様であることがわかります。
余談ですが、お寺の婦人を「大黒さま」と呼ぶことがありますよね。これは、食堂や台所といった食に関連する場所に、大黒天がよく祀られていることから転じたのだそうです。
人数にも諸説あり
「誰か」という問題の他に、実は「何人か」ということに関する議論もたくさんあります。こちらも地域・家族によってさまざまな意見があり、ときには夫婦ゲンカの種になることも。調べてみても、意見はバラバラです。
米俵の上に6人の神様が乗っているという説、七福神だから7人の神様だという説、中には、88人もいるという説まで見受けられました!
その中でも有力なのは7人説のようです。というのは、1970年代にヒットした野球漫画、ドカベン(水島新司さん原作)にこんなセリフがあるのです。
「ぼくのおじいさんが言ってんのさ 一粒の米の中には7人の神さまがいるって だから一粒でものこしたらバチがあたる」
ドカベンに親しんだ少年はきっとこの説を信じたのでしょうね。
大事にいただきましょう
お米の神様には、本当に色々な説がありましたね!
それだけ、日本人がお米に支えられてきたことが想像できます。どの説、どの神様を信じるにしても、お米は豊かな土地と大変な労力によって得られるありがたい存在。お米一粒にも神様が宿っていると考えると、よりおいしく感じられるかもしれませんね!
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