寒い冬をどうやって乗り切りますか?
寒さ対策は色々ありますが、沢山着込み、露出をなくして使い捨てカイロを使えばかなり暖かい!
使い捨てカイロは日本人にとって冬の必需品です。
今や海外でも大人気で日本より随分高値で売られているようです。
たまたまだけど大ヒット
封をあければだんだん温かくなり、長時間そのぬくもりをキープしてくれる使い捨てカイロ。
最近のは20時間以上も保つものがあって驚きです。
「カイロ」は漢字で書くと「懐炉」となります。読んで字のごとく、昔は懐に入れて温めるものでした。
懐炉の原型は古くからあり、平安時代末期から江戸時代にかけて使われていた「温石(おんじゃく)」と呼ばれるものでした。
温石は保温性の高い石を板状にしたもので、温めて布にくるみ懐に入れて使っていました。
そこから現在私たちが使っている一般的な使い捨てカイロが登場するのは1978年(昭和53年)のこと。
それまでのカイロと違い容器となる部分が布であったことと、繰り返し使わず使い捨てにするということなどから当時としては画期的な商品でした。作ったのは現在のロッテ健康産業(当時のロッテ電子工業)です。
名前は、皆さん聞いたことがあるはず、「ホカロン」です。
現在でも広く普及している商品ですね。
発売されるやたちまち大人気となり、他のメーカーからも使い捨てカイロを出すようになりました。
ロッテといえばお菓子の会社では?と思いますよね。
この商品は、元はお菓子のための脱酸素剤を作っているときに偶然熱の発生を発見して生まれたものだそう。
偶然も馬鹿にできません…!
一瞬で温かく
すぐに温かくなるのはすごいけれど構造は一体どうなっているのかご存知ですか。
使い捨てカイロに欠かせないのは、まず鉄です。
鉄は放置しているとだんだん錆びる=酸化した状態になります。
鉄が酸素と結びついて酸化するとき、熱が発生します。
しかし、普段私たちが生活する中で、熱されていない鉄に触って熱かったことなんてありませんね。
それは、熱の発生がとてもゆっくりだからです。
少しずつ熱を放出しているため気づきにくいのです。
一方、使い捨てカイロはすぐに温まります。
酸化のスピードを早めるためのものも袋の中に入れているのです。
具体的には、水、塩類、活性炭等です。
これらは酸化を早める作用があります。
これにより、袋から出してシールを剥がしたときから鉄が空気に触れ、一気に酸化して熱が発生するというわけです。
理屈自体はとても簡単でしたね。覚えておけばちょっとした時に雑学として披露できそうです。
終わりに
カイロの原型は温石だと書きましたね。
温石は実は料理の「懐石」の由来でもあるのです。
修行中のお坊さんが空腹をまぎらわすために温石を懐に入れていたことから、ちょっとした空腹しのぎの料理のことを懐の石と書いて懐石というようになりました。
お腹を温めると空腹が紛れるなら、使い捨てカイロでも同じことができるかも…?