1月7日は人日の節句でした。
七草粥を食べる日でもありましたが、みなさんは召し上がったでしょうか。
年末やお正月に食べすぎた身体をリセットしてくれるお粥。
やさしい味で美味しいですよね。
ところで、お粥とおじやと雑炊ってどれも似ていると思いませんか?違い、説明できますか?
お米と水
この3つの区別はさほど難しくありません。
3つとも共通して言えるのは「お米に多めの水分を含ませてゆるく煮たもの」ということ。
一番大きな違いとなるのがお米の部分です。
おかゆは炊く前の生のお米を水で煮ます。
一方、雑炊に使うお米はすでに炊いてあるご飯です。
そして、おかゆが基本的に水をベースとして煮るのに対し雑炊は出汁や煮物、鍋料理の残り汁などを使って煮るというのも違いの一つです。
そのためおかゆよりも雑炊のほうが具材が入っていることが多いのです。
様々な残り物を入れて煮るから「雑」という字が入っているのも納得です。
おかゆには何も入れないことや、入れても一種類のみで塩だけの味付けなどシンプルな場合がほとんどです。
では、おじやはどうなのだと思うでしょう。
実は、おじやは雑炊と同じものだとする意見が多いのです。
おじやと雑炊の間には明確な基準がなく、同じといっても間違いではないよう。
強いて言えばおじやは雑炊より粘り気が出るように長く煮込むらしいです。
地域や家庭によっても区別が異なることがあり、おじやと雑炊をはっきり別のものとして扱う場合もあります。
その時の基準も実に様々で、味付けや色合い、具材など多岐にわたります。
ちなみに、おじやと雑炊が同じものだとするとなぜ全く違う名前が2つあるのか気になりませんか?
おじやは雑炊を女房詞で言ったものだというのが「おじや=雑炊派」の主張です。
接頭語の「お」に料理が煮えるときの「ジヤジヤ」という擬音語がくっついて「おじや」なのだという説です。
(女房詞については過去記事参照 「直接言うのは芸がない。女房詞で柔らかく」)
しかし、おじやの語源はスペイン語だとする意見もあります。
雑炊に似たスペインの煮込み料理「olla(オジャ)」が日本に伝わってきて「おじや」と呼ぶようにになったのだと。
どちらが正しいのかはっきりとは分かっていません。どちらも説得力があるような気がしますね。
世界のスープごはん
スペインでも雑炊やおかゆに似た料理があると上で書きましたが、他にもスープとご飯を合わせた料理はいくつもあります。
リゾット
みなさんご存知ですね。
日本でも普通に置いている飲食店は多くあります。
もとはイタリアで作られていた家庭料理です。手軽に作れてアレンジもききます。
カルドソ
上で書いたスペイン料理「オジャ」の一つです。
オジャは正確に言うとスープご飯のみを指すのではありません。
煮物に使う鍋のことを一括りにしてオジャと言います。今はその名前が鍋料理そのものにも使われるようになっています。
その中でもスープとお米を煮込む料理がカルドソというわけです。
サムゲタン
漢字で書くと「参鶏湯」となります。
韓国の料理で、人参や鶏肉や漢方ともち米などを入れて作る薬膳スープです。
美味しい上に体にも良いということで特に女性に人気です。
ミルヒライス
最後はミルヒライス。
これはご飯ではなくデザートに近いです。
ドイツ、北欧の辺りで食べられています。お米に牛乳とシナモン、砂糖を混ぜて炊きます。
当然甘いのですが、デザートとしてだけでなく主食として食べることもあるそう。
終わりに
昔は雑炊に色々な具材を入れる習慣はなかったらしく、単にご飯を水でかさ増ししているという意味で「増水」と書いていたのだとか。
この字だとなんとなく美味しくなさそうに見えますね。
今が「雑炊」の時代で嬉しいです。
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