コラム

見上げる空に、輝く花火は夏の風物詩

昔から人々を魅了してきた花火。夜空に大輪を咲かせるもよし、手持ちをゆったり楽しむもよし。楽しみ方は人それぞれです。花火には多くの種類があります。少しでも知っておくと、楽しさが増しますよ。花火にまつわる雑学もたくさんあるので、ぜひ覚えていってください。

誰もに愛されて

江戸

日本における花火の歴史は、1589年に伊達政宗が鑑賞したのが最初だとされていますが、はっきりとはしません。一般人も買える普通の花火として売り出されたのは1659年ごろとされていて、江戸の庶民に大変人気だったそうです。その後も花火の人気は衰えることもなく、江戸以外でも盛んでした。あまりに人気で火事も起こっていたため禁止令も出されたほどでした。

打ち上げ花火などを見るときに「玉屋!」という掛け声を聞いたことはありませんか。これは花火師の名前に由来するものですが、玉屋以外にも「鍵屋!」という掛け声があります。これらは一体どんな意味があるのでしょう。

鍵屋と玉屋

玉屋_鍵屋

江戸での花火の大流行は、立役者の存在があってこそでした。人気花火師の鍵屋と玉屋です。初代鍵屋は現在の奈良出身で、子供の頃から花火作りが上手かったそうです。玉屋は鍵屋から暖簾分けをしてもらい分家しました。それぞれ鍵、玉という名前がついていますが、鍵や玉を作っていたからというわけではありません。鍵屋の守護神としていたお稲荷さんのキツネがくわえているものが鍵と玉で、そこからきています。

江戸っ子は、花火が上がると「玉屋ー!」「鍵屋ー!」と掛け声をかけていました。しかし、玉屋はのちに出火をおこしてしまい江戸追放の処分を受けます。これによって玉屋は一代限りで終わってしまいました。ところが、実は両家が現役の頃から掛け声は「玉屋ー!」の方が多かったのです。「橋の上 玉屋玉屋の声ばかり なぜに鍵屋と いわぬ情なし」という歌が残っているほどです。玉屋はすぐに途絶えてしまったのに何故でしょう。

理由は、玉屋の方が花火の技術が高く鍵屋よりも人気があったからです。出火騒ぎが無ければその後も活躍して栄えていたかもしれません。ところで、鍵屋の方は現在も続いていることをご存知ですか?玉屋が途絶えた後も様々な花火を生み出し、今は十五代目が引き継いでいます。

花火の種類

仕掛け花火_ナイアガラ

花火には本当にたくさんの種類があります。大きく分けると打ち上げ花火仕掛け花火おもちゃ花火があります。打ち上げ花火は菊や牡丹など、花火大会でよく見るかたちです。仕掛け花火はスターマインと呼ばれる速射連発花火や、滝のように見えるナイアガラなどです。おもちゃ花火は普通にお店で売っている手持ち花火やロケット花火などのことです。どれも綺麗ですよね。

打ち上げ花火を大きくバランスの良い丸に見せるには高い技術が必要なんですよ。ちなみに花火についている色は、様々な金属の炎色反応によるものです。リチウムは赤、カリウムは紫、銅は青緑といった感じです。

国産の誇り

線香花火

手持ち花火の代表格である線香花火。みんなで線香花火をやって誰が最後まで残っているか競ったりしますね。私たちが普段お店で見かける花火のほとんどが中国からの輸入品です。価格が安いため多く出回っています。国産の線香花火は輸入品に押され気味ですが、品質はとても高いのです!

線香花火には4段階の形態があります。1牡丹、2松葉、3柳、4散り菊です。4つあると言われてちゃんとそれぞれがどんな様子だったか思い浮かべられますか?輸入品の線香花火だとこの4つの境目がはっきりしないことが多いので、分からない人もいるでしょう。国産のものなら段階がしっかり分かります。少々値が張りますが、国産の線香花火も1度はやってみてください。

40本入りで1万円もするようなものでも予約が殺到して入手困難なことがあります。それほどの価値があるということですね。

終わりに

花火大会は8月上旬に多く開催されるようです。もし行けなくても、お家で花火を楽しむのもいいですよね。線香花火には関西に多いスボ手牡丹と関東に多い長手牡丹があります。どちらも負けず劣らず美しい花火を見せてくれるので、片方しか知らないならもう片方もやってみることをおすすめします。

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