「陶磁器」ってよく聞くけれど、「陶器」と「磁器」は実は全然別物だってこと、みなさんは意識したことありますか?
あまり意識したことがない、という方も多いのではないでしょうか。
実は陶器、磁器による違いで扱い方が変わってくるので、結構重要なんです。
今日は皆さんに陶器と磁器の違い、そしてそれによって変わる食器の扱い方についてご紹介したいと思います。
そもそもの違いは材料
まず、陶器と磁器の一番の違いは、作るときの材料です。陶器は粘土を低温で焼いて作られています。
一方で、磁器は長石を主な成分とする土を高温で焼いて作られています。陶器は純粋な「土」の味わいが感じられるのに対して、磁器はガラスの材料でもある長石が使用されていることから、陶器に比べて少しガラス寄りの性質を持っていることがあります。
材料の違いからできる、様々な違い
この違いから、陶器と磁器のそれぞれに性質の違いがでてきます。
まず、見た目。
陶器は土で出来ているので光を通さず、素朴な自然の温かみが感じられます。一方、磁器は透明感があり、光にかざすと少し透け、繊細で滑らかな美しさが感じられます。
また、指で少し弾いてみるとその音の差がはっきりと感じられることでしょう。陶器の方は低く、鈍い音がするのに対して、磁器の方は高くて澄んだキンキンとした音がします。
扱い方にも違いが…?
使用する上で心に留めておいた方が良い特徴もたくさんあります。
吸水性の違い
陶器は質が荒く、細かい穴がたくさんあいているので、吸水性が高いです。そのため、陶器に醤油などの色がついた液体を最初に入れてしまうと色がついてしまったりします。その前にいったん水などでゆすいでおく必要があるんです。
また、しまうときも洗った後よく干して乾かしてからでないと、カビなどの原因になってしまう可能性があります。
一方、磁器は、質が緻密であまり穴があいていないので、ほとんど水を通しません。水で洗った後すぐに布で拭いて棚にしまっても問題なさそうです。
次に、衝撃に対する強さですが、陶器は素材が柔らかく、あまり衝撃には強くありません。それとは逆に磁器は堅焼きであるため陶器に比べて衝撃に強いです。
保温性・熱耐性の違い
陶器は熱しにくく冷めにくい。熱にも強いため、あまり注意する必要はありません。
ですが、磁器は熱しやすく冷めやすいため、熱にはあまり強くなく、温度差が大きいとひびが入ってしまうこともあります。
大まかな違いは以上です。
こうやって書いてみると実にいろんな違いがありますよね。
用途によって使い分けられると、さらに便利になりそうです。
電子レンジや洗浄機は使っていいの?
電子レンジでの使用については、陶器は器に含まれた水分が熱くなって、最悪器が割れてしまうこともあるのでおすすめできません。
磁器に関してはその心配はないのですが、金属系の装飾が施されていると火花を散らしてしまう場合があるので、よく見てから使っていただくことをおすすめします。
また、洗浄機に関しては、陶器は割れやすいため、あまり使用しない方が良いです。
磁器に関しては、レンジ対応のものは大丈夫ですが、上絵を施してある商品は色落ちの心配があります。
特に金の場合は使用が不可能ですので注意が必要ですよ。
終わりに
陶器と磁器、これだけ見ると扱いが複雑そうに見えてしまうかもしれませんが、それぞれのポイントとなる特徴(素材、吸水性、耐熱性など)をおさえておけば、使っているうちに魅力がにじみ出てくる素敵な素材だと思います。
ぜひ一つ一つの食器の持つ味わいを感じながら、大切に、丁寧に使っていただきたいな、と思います(^^)