みなさん、陶器をお使いになったことありますか?
使ったことがある方ならわかると思いますが、陶器って独特の肌触りで、使っているとほっとしますよね。
今回は、そんな陶器がどのようにできているのかについてご紹介します。
①練る
陶器の原料は、陶土という、粘土に珪石(けいせき)と長石(ちょうせき)が混ざったものです。(珪石は器の骨格を形作る役割を、長石は、珪石と土をつなぐ接着剤の役割を果たしています。)
まず初めに、これを練ることから、陶器の行程はスタートします。この練るという行為は、陶土の空気を押し出すことが目的です。もし中に空気が入っていると、焼いているときに水蒸気爆発してしまうので、この行程はとても大切です。
②成型
次に、練られた原料を成型します。
くるくると回る円板の上に、生地を載せて成型するろくろ法は有名ですよね。それ以外にも、型に生地を流し込んで成型する流しこみ法や、生地を金属の型に押し込んで成型する押圧法があります。また、芸術品などで複雑な形を作りたいときは、機械などは使わずに手で成型します。
③乾燥
次に、成型したものを一度乾燥させます。
これは、生地には水分が多く含まれているのですが、それを急に焼いてしまうと、水分が一気に蒸発して、ひびの原因になってしまうためです。「乾燥」の行程では、全体に均一に乾燥させることがポイントになります。
急いで、直射日光などで乾燥させようとしたり、一方から風を吹きかけたりすると、ムラができてしまい完成度に響くので注意が必要です。この行程には1〜2週間を要します。
④素焼き
そして、「乾燥」を終えると、やっと「焼く」という行程に入ります。
この「素焼き」という行程においては、900度くらいの比較的低い温度で、5〜25時間ほど焼きます。この行程を終えると、陶器は幾分か丈夫になり、割れにくくなります。
⑤本焼き
釉薬(ゆうやく)といううわぐすりを塗ったのち、高温で焼く「本焼き」という行程に入ります。
はじめはゆっくり温度を上げ、100〜120度で水分を蒸発させます。そして、最終的には、1100〜1200度まで温度を上げ、短くても10時間、長ければ30〜50時間もの間焼き続けるのがこの行程。
じっくり焼きます。
⑥冷却・完成
「本焼き」を終えたものは、窯の中でゆっくりと冷却させます。
急に冷やしてしまうと、外と内の温度差が生じ、歪みや割れの原因になってしまいます。最後の最後まで、細心の注意が必要なのですね。
以上、陶器ができるまでを追ってみましたが、それぞれの行程にしっかりと意味があり、手間暇かけられて陶器ができているということが、わかっていただけたのではないでしょうか。
陶器がどのように作られているのかわかると、自分の持っている陶器にも愛着がわきますよね。ぜひ大事に扱ってくださいね。