寒い季節は草花もあまり元気がなさそうで彩りもよくありません。でも、2月になると梅の季節です。冷たい空気の中にしっとりと咲く姿は見ごたえがあります。
色も形も豊富
梅は古典にもよく登場する花ですね。日本では昔から愛されてきた花でもありますが、原産国は中国です。
色は白、紅、ピンクなどで、一本の枝から違う色の花が咲いたり一つの花の花弁が2色になっていたりと様々な種類があります。幾度もの品種改良の結果、現在では300種類以上あるのだとか。
開花時期は1月〜3月、ちょうど今頃がシーズンです。
種類の多さに加えて、あの菅原道真が「東風吹かば 匂い起こせよ 梅の花 主なしとて 春な忘れそ」と詠んだほどの甘く柔らかな芳香も魅力的です。
梅の分類は「性(しょう)」によるものが一般的で、野梅性、豊後性、紅梅性、杏性の4つに大きく分けられます。
- 野梅性
- 原種に近い形質を残しているもの。枝は細く、棘のような小枝が多い。葉は小さい。
- 豊後性
- 梅と杏を交配させた雑種と言われている。枝は太く、日に焼けると茶褐色になる。花も葉も比較的大きい。
- 紅梅性
- この種類には紅色の花が多いことからこの名前がついた。蕾の先は尖って筆のようになっている。
- 杏性
- 豊後性に似ているが、より杏に近い。豊後性に比べて枝は細く葉は小さい。遅咲きのものが多い。
花を見て楽しむための花梅と果実の収穫を目的とする実梅があり、実梅の方は花も美しく咲くので両方楽しみたい人にはおすすめです。
外見も内面も充実しているという意味の「花も実もある」ということわざがありますが、これは梅を連想させますね。
※青梅はそのままでは食べられません。成熟前の実を害虫から守るために青酸を含んでいます。
食用としても活躍
梅を食べる文化は奈良時代からあります。今でこそどこの家庭でも食べられる梅干しですが、昔は大変貴重な食材でした。
梅には様々な効能があり、疲労回復や殺菌作用もあったため薬として使われることもありました。鳥梅(うばい)という梅干しの変化系のようなものは、今でも漢方として扱われているほどです。
主に武士に重宝される縁起の良い食べ物でした。江戸時代になると庶民にも手が届くようになり、お茶菓子としても食べていたようです。
江戸末期頃になると海外からコレラが伝わってきてしまい全国的に流行しました。そのときに大活躍したのも梅!
梅肉エキスに含まれる有機酸はコレラ菌を殺す効果があり、それを与えて治療したそうです。これによりさらに梅の需要は高まりました。
終わりに
梅は百花の魁(さきがけ)ということわざがあるように、春の始まりを感じさせてくれる悠然とした佇まいの木。
梅にこれほどの力があるとは。美しいだけでなく中身も備わっている様子を見習いたいものですね。
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