加茂桐簞笥の歴史を年代別にかんたんに紹介
天明年間(1780年代):加茂市で桐たんすの製造が始まる。丸屋小右エ門が大工のかたわら杉材で作り始める。
文化11年(1814年):加茂市内の旧家に記された桐箪笥が現存。
文政3年(1820年)頃:桐箱や桐箪笥が加茂川から信濃川を通じて新潟や東北方面へ出荷される。
明治10年(1877年):「加茂町誌資料」に箪笥400棹、長持200棹が記録される。
明治15年(1882年)頃:北海道から東北六県への出荷が活況を呈する。
昭和51年(1976年):加茂桐箪笥が通商産業大臣より「伝統的工芸品」に指定される。この時点で日本一の産地となり、全国シェア70%を占める。
加茂桐簞笥の歴史(詳細)
加茂市は古くから木工の町として知られ、特に桐箪笥は重要な産業の一つとして数えられています。加茂で桐箪笥が作られ始めたのは、約200年から220年前の天明年間(1780年代)と言われています。この時期に丸屋小右エ門が大工のかたわら杉材で作り始め、その後桐材を使用するようになりました。加茂の桐箪笥は、湿気を防ぎ、狂いが少なく、火気に強いという桐の特長を活かし、衣類や医薬品、書画骨董等の保管に適しています。
加茂市は北越の小京都と呼ばれる落ち着いたたたずまいを持ち、歴史的には織物の町としても栄えてきました。天然桐が豊富に存在する地域であるため、指物師による箱物の製造が盛んに行われました。文化11年(1814年)購入と記された桐箪笥が現存し、文政3年(1820年)頃には桐箱や桐箪笥が加茂川から信濃川を通じて新潟や東北方面へ出荷されました。
明治10年(1877年)には「加茂町誌資料」にて箪笥400棹、長持200棹が記録され、明治15年(1882年)頃には北海道から東北六県への出荷が活況を呈しました。昭和51年(1976年)、加茂桐箪笥はその伝統と優れた品質が認められ、通商産業大臣より「伝統的工芸品」に指定され、日本一の産地として全国シェアの70%を占めるまでに成長しました。加茂の桐箪笥は、その木肌の温かみや柾目の美しさで、お部屋に優雅な落ち着きを添えるとして、全国各地で広く愛用されています。