越前和紙

越前和紙の歴史~生成色の優美で高い品質~

越前和紙の歴史を年代別にかんたんに紹介

507年以前: 継体天皇が男大迹として越前にいた頃、岡太川の上流に川上御前が現れ、紙漉きを教える。
4世紀~5世紀: 正倉院の古文書によると、越前和紙が漉かれていた。
奈良時代: 越前和紙は写経用紙として漉かれる。
戦国時代~江戸時代: 越前奉書紙が漉かれ、越前和紙は幕府や藩から保護を受ける。
明治時代: 新政府の紙幣用紙「太政官金札用紙」の製造を任される。西洋の機械製紙法の導入。
太平洋戦争後: 木版画用紙に新たな活路を見出し、国内外で爆発的に売れる。
現代: 消臭抗菌用の素材やポチ袋、食材から作られる和紙などの新たな取り組みが始まる。 ​​

越前和紙の歴史(詳細)

越前和紙の起源は定かではありませんが、約1500年前、継体天皇がまだ男大迹として越前にいた時代にさかのぼります。岡太川の上流に現れた川上御前という美しい姫が地元の人々に紙漉きを教えたという伝承があり、この地が清らかな水に恵まれていることから紙漉きに適しているとされました。また、正倉院の古文書には4世紀から5世紀ごろに日本に紙が伝わった際、越前和紙が漉かれていたことを示唆する記述があります。

奈良時代には、越前和紙は主に写経用紙として漉かれ、戦国時代から江戸時代にかけては越前奉書紙が漉かれるようになりました。この時期、越前は幕府や藩からの保護を受け、技術力や生産性が発展しました。越前和紙は「本場のもの」として高く評価されました。

明治時代には、新政府の最初の紙幣用紙「太政官金札用紙」の製造を任されるなど、政府からも高い評価を受けました。しかし、西洋の機械製紙法の導入により手漉き和紙の職人は激減しました。その後、木版画用紙に新たな活路を見出し、国内外で爆発的に売れるようになりました。

現在、越前和紙は消臭抗菌用の素材やポチ袋、食材から作られる和紙など、新たな取り組みが進んでいます。福井県越前市五箇地区とその近郊で作られる越前和紙は、紙祖神川上御前の伝説により紙漉きの技術が伝わり、長い歴史を通じて培われた技術と豊富な和紙の種類により、滑らかで均一な表面としまった紙厚を持つ和紙の製作が可能です。

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