彦根仏壇

彦根仏壇の歴史~豪華絢爛な高級仏壇~

彦根仏壇の歴史を年代別にかんたんに紹介

徳川時代中期:彦根仏壇の起源。武具、武器製作に携わっていた職人が仏壇製造に転向。
昭和49年5月:「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」が施行される。
昭和49年11月:伝統的工芸品の指定を受けるため協同組合を設立。
昭和50年4月:通産大臣から伝統的工芸品として指定を受ける(業界初)

彦根仏壇の歴史(詳細)

彦根仏壇は、350年の歴史を持つ伝統工芸であり、琵琶湖のほとりに位置する旧彦根藩の城下町、彦根市で生まれ育ちました。彦根仏壇の起源は徳川時代中期に遡り、当時武具や武器の製作に携わっていた塗師、指物師、錺金具師などが平和産業として仏壇製造に転向したことから始まります。この時期、キリシタン宗門の禁止政策の強行や庶民生活の向上、庶民仏教の浸透、そして彦根藩主の強力な庇護のもと、問屋制家内工業の形態と分業組織が完成しました。これらは、彦根の城下町と中山道を結ぶ重要地点である通称「七曲がり」での発展の基盤となりました。

彦根仏壇は、七職と呼ばれる高度に専門化した職人によって製作され、ホゾ組み、木目出し塗り、重押し(艶消し押し)の金箔押しなど、高い品質の手作業による工程が特色です。蒔絵や金箔、錺金具を用いた豪奢な大型仏壇が多く、耐久性に優れた高級仏壇として全国的に高く評価されています。

明治維新、第一次・第二次世界大戦などの混乱期を乗り越え、戦後には彦根仏壇同業組合が結成され、検査制度を設けるなど品質の向上に努め、生産は順調に推移しました。その生産地域は彦根市全域に広がり、彦根の地場産業の一つとして大きく躍進しました。昭和49年5月には「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」が施行され、その後、昭和50年4月に通産大臣から業界初となる伝統的工芸品の指定を受け、現在に至っています。この長い歴史と技術の進化を通じて、彦根仏壇は伝統と現代のニーズを融合させながら、その価値を高め続けています。

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