京仏具の歴史を年代別にかんたんに紹介
8世紀:平安仏教を特色付けた最澄、空海の時代に京都における仏具の製作が始められる。
11世紀初頭:仏師定朝が京都七条に「仏所」を設け、仏具作りの職人を集める。これが本格的な仏具の歴史の始まり。
江戸時代初期:宗門改め制度により各家庭に仏壇を安置するようになり、仏壇および仏具の需要が増加し、生産が本格化。
現代:京都は仏壇・仏具の一大産地として、約70%が寺院用、約30%が家庭用として製作され、全国の寺院用仏具の多くが京都で作られている。
京仏具の歴史(詳細)
京仏具の歴史は、仏教の伝来と共に6世紀に始まり、京都における仏具の製作は8世紀頃に始められたと考えられています。この時期は平安仏教を特色付けた最澄、空海の時代にあたり、その後の11世紀初頭に仏師定朝が京都七条に仏所を設け、仏具作りの職人を集めたことが本格的な仏具製作の始まりとされています。以来、千年以上にわたり、京仏具は伝統と文化に培われ、伝統的工芸品として発展を遂げてきました。
京都は仏教文化の都として、大小さまざまな各宗派の寺院が存在し、多数の寺院と各家庭の需要に応えながら京仏壇・京仏具は発展してきました。仏具は、仏教に用いるあらゆるものを意味し、仏像、宮殿、厨子、香炉、梵鐘、燭台など何百にも及びます。これらの寺院用仏具も、仏壇とともに伝統的な手づくりによって作られています。江戸時代の初めになると、宗門改め制度に伴い、各家庭に仏壇を安置するようになりましたが、これにより仏壇の需要が増加し、生産も本格化していきました。
現在に至るまで、京都は仏壇・仏具の一大産地であり、生産量の面だけでなく、優れた技術及び品質が大きな特徴です。宗派によって仏具の様式もさまざまであり、大量生産が困難であることから、木工・金工・漆工などあらゆる技術を駆使した総合工芸品の生産は、細かい分業に基づく専門的な手仕事が中心となっています。これらの条件が重なり、より品質の高いものへと発展していきました。現在、京都において約70%が寺院用、約30%が家庭用として製作され、また全国の寺院用仏具の多くが京都で作られています。