久米島紬

久米島紬の歴史~1人の職人によって完成される逸品~

久米島紬の歴史を年代別にかんたんに紹介

15世紀後半 - 久米島紬の起源とされる時期。堂の比屋が中国から養蚕産業を学び、久米島に広める。
1609年 - 沖縄が薩摩によって侵略される。
1611年 - 久米島に様々な種類の税が課され始める。
1661年 - 紬が記録に残っている最も古い年。久米島紬が「琉球紬」として江戸でもてはやされるようになる。
18世紀以降 - 久米島紬の生産が大変盛んになる。
1879年(明治12年) - 琉球王府時代からの貢納布制度が沖縄県になってからも存続。
1903年(明治36年) - 地租条例・国税微収法の施行で織物税の制度が廃止される。
1970年 - 久米島紬事業協同組合が設立される。
2004年 - 久米島紬が国の重要無形文化財に指定される。

久米島紬の歴史(詳細)

久米島紬は、沖縄県久米島に古くから伝わる伝統的な織物で、その起源は15世紀後半に中国から養蚕産業を学んで広めた堂の比屋という人物にまでさかのぼると言い伝えられています。1609年の薩摩の侵略後、1611年から様々な種類の税が課され、1661年の記録が久米島紬の最も古い記録とされています。特に18世紀以降、紬の生産が盛んになり、日本の紬絣技法は久米島を起点に沖縄本島、奄美大島を経て本土に伝わり、日本全国に広がりました。

久米島紬は、蚕から取った真綿で紡いだ糸を原料とし、天然の草木や泥染めで染色されるのが特徴です。全工程を一人の織子が一貫して行い、図案、染料作り、絣くくり、糸染め、織りまでが手作業で丹念に行われます。これにより、一反ごとに作り手の個性が反映される独特の風合いと味わいが生み出されます。

久米島紬は1970年に久米島紬事業協同組合が設立され、2004年には国の重要無形文化財に指定されるなど、その技術と伝統が高く評価されています。また、琉球王府時代からの貢納布制度を経て、1879年の琉球処分や1903年の地租条例・国税微収法の施行により織物税が撤廃されるまで、その生産は琉球王府や薩摩藩、さらには明治政府によっても支援されてきました。久米島全体が一丸となって後継者育成に力を入れるなど、久米島紬の技術と伝統は今後も大切に受け継がれていくことでしょう。

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