宮古上布

宮古上布の歴史~滑らかで最高級の麻織物~

宮古上布の歴史を年代別にかんたんに紹介

16世紀末 - 宮古上布が稲石によって創製される。
1583年(万暦13年) - 稲石が綾錆布を琉球王国に献上。
1637年 - 宮古上布が人頭税として上納布に定められる。
大正14年(1925年)7月 - 宮古神社が建立され、宮古の産業界の基礎を築いた恵根、旨屋、稲石を顕彰する記念碑が建立される。
1978年 - 宮古上布が国の重要無形文化財に認定される。
2003年 - 宮古上布の糸績み技術が国選定保存技術に指定される。
2004年 - 国の重要無形文化財に指定される。

宮古上布の歴史(詳細)

宮古上布は沖縄県宮古島に伝わる伝統的な織物で、その歴史は16世紀末にさかのぼります。この織物は、栄河氏真栄の妻である稲石によって創製されたと伝えられており、1637年に人頭税として上納布に定められて以来、精巧な織物として高い評価を受けてきました。大正14年7月に建立された宮古神社近くには、宮古の産業界の基礎を築いた恵根、旨屋、稲石の三者を顕彰する記念碑が立てられ、特に稲石は宮古上布織製の端を開いた人物として讃えられています。稲石が1583年に綾錆布を琉球王国に献上したことから、宮古上布が世に出るきっかけとなりました。

宮古上布の制作工程は、島で育つ苧麻を原料とした手績みによる糸作り、藍や植物染料による染め、締機や手括りによる絣括り、手織り、砧打ちなどを経て、その独特の艶と軽やかな風合いが生み出されます。1978年に国の重要無形文化財に認定され、2003年には糸績み技術が国選定保存技術に指定されました。宮古上布は薄くて軽やかでありながら、苧麻糸の細さから生まれるしなやかな弾みと、肌に触れると風が通り抜けるような感触が特徴です。一日に数センチしか織り上げられない反物は、糊付けされてから木槌で叩かれる「砧打ち」により、その光沢としなやかさを得ます。この手間暇かけた工程が、宮古上布の質の高さと価値を生んでいます。

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