みなさん、「豆皿」ってどのようなお皿かご存知でしょうか?
「『豆皿』ってことは、お豆を入れるお皿のこと?」とお思いになる方もいらっしゃれば、「私、豆皿コレクターです!」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?
「豆皿」とは、手の平に載る、直径6〜10センチの小さなお皿のことを指します。
今回は、そんな「豆皿」について、歴史の観点から、ご紹介したいと思います!
豆皿とは手塩皿のこと
小さなお皿のことを、「豆皿」と言うようになったのは、ごく最近のこと。
昔は、それを「手塩皿」と呼んでいました。
そして、その「手塩皿」には、昔からの日本人の風習が絡んでいるんですよ!
日本人にとっての「お塩」
「手塩皿」は、その名の通り、お塩を盛るためのお皿でした。
ここで、「あれ?私たちは、豆皿にお塩はあまり盛らないなあ」とお思いになった方がいらっしゃるかもしれません。それもそのはず、この「お塩を盛る」という文化は、現代では昔ほど重視されていませんから。
でも、思い出してください、お葬式のときに小さな袋に入ったお塩をもらうこと、ありますよね?
また、「敵がいなくなったあとに、その敵がいた場所を清めるためにお塩をまく」という話もどこかで聞いたことがあるのではないでしょうか?
つまり、お塩は「不浄を払うもの」だと捉えられているのです。
そして、昔の日本人は、現代の私たちよりも、「お塩信仰」が強かったということです。
食膳の不浄を払う
「手塩皿」は、そのような「お塩信仰」の一つの表れで、「食膳の不浄を払う」という目的で使われていました。お塩を盛ったお皿を、手前に置いてあるお箸の脇に置いていたようです。
また、この「手塩皿」は、次第に、お塩以外にも、お醤油や酢を入れたりと、いわば調味料入れとして機能するようになります。
これが、すなわち今の「豆皿」の汎用性の高い使い方へと繋がっていったと言えます。
「手塩皿」から「豆皿」へ。
この変遷を追ってみると、とても興味深いですね!
おわりに
いかがでしたでしょうか?
お塩やその他調味料はもとより、おかずやお漬物、さらにはお菓子などもおしゃれに載せることができる「豆皿」。お塩専用の「手塩皿」が、汎用性の高い「豆皿」へ。おもしろい変化ですね!
今度、豆皿を使う機会がありましたら、この変遷を少し思い出していただければ幸いです!
豆皿のよさをより味わえると思います!