江戸からかみの歴史を年代別にかんたんに紹介
中国から伝来した紋唐紙が日本で国産化され、「江戸からかみ」の基となる。
仏教経典の装飾技法が発展し、金銀箔砂子を使用した装飾が行われる。
やまとうたの詠草料紙を装飾する技法が発展し、後に室内装飾へと応用される。
唐紙師が増え、からかみの生産が盛んになり、襖や屏風への応用が進む。
江戸からかみの歴史(詳細)
「江戸からかみ」は、平安時代まで遡る歴史を持つ和紙の工芸品で、様々な装飾が施されています。その加飾技法には二つの系統があります。一つは、仏教の経典装飾に由来する金銀箔砂子を中心とした技法で、国宝平家納経がその頂点に位置づけられています。もう一つは、木版からかみを用いたやまとうたの詠草料紙を装飾する技法で、こちらの最高峰は国宝本願寺本三十六人歌集です。
これらの技法は後に書院造りや数奇屋造りの襖や壁面装飾へと応用され、室内空間を彩り豊かにしてきました。また、「江戸からかみ」は中国から伝来した紋唐紙が原型とされ、京都で詠草料紙として発展しました。江戸時代には、襖や屏風に使用されるようになり、唐紙師が増え、技術が発展していきました。
この400年に及ぶ「江戸からかみ」の技法背後には、さらに1000年余りの和紙加飾の歴史が重なり、江戸の大衆化とともに大きく広がりを見せています。