出石焼とは?兵庫県を代表する焼き物の歴史や作り方を紹介!

出石焼とは

出石焼(いずしやき)とは、兵庫県豊岡市出石町で作られる独特の磁器です。出石焼の最大の特徴は、その圧倒的な純白さ。通常の白磁器のような青みがかった白や温かみのある白とは異なり、冷たさが感じられるような白さを持っています。この白さは、柿谷陶石と呼ばれる純白の原料を使用することで実現されており、透き通るような神秘的な白さを生み出しています。

 

出石焼は、その繊細な彫刻や絵付けも非常に高い評価を受けています。熟練の職人が手掛ける彫刻や、純白の出石焼に施される落ち着いた色調の絵付けは、上品で清楚な印象を与える焼き物として広く知られています。また、日常使いしやすい多彩なデザインのものも人気を集めています。

 

この美しい出石焼は、1980年(昭和55年)に国の伝統的工芸品に指定され、今もなお4軒の窯元が製作を続けています。彼らは、伝統を継承しながらも観光コースに絵付体験を取り入れるなど、観光との連携を進めています。

 

兵庫県出石町で生まれた出石焼は、その圧倒的な純白さと繊細な彫刻や絵付けによって、日本の伝統工芸品として世界に誇るべき存在となっています。

 

出石焼の魅力

出石焼の魅力は、その独特な純白さと繊細な彫刻や絵付けが最大の特徴です。この純白さは、出石焼独自の柿谷陶石という白い原料を使用することで実現されており、透明感あふれる神秘的な美しさを放っています。出石焼の白さは、他の白磁器にはない独特の冷たい印象を与えるため、モダンで洗練された雰囲気を醸し出します。

 

また、熟練の職人による繊細な彫刻や絵付けは、出石焼のもうひとつの魅力です。手間ひまかけて仕上げられた美しい模様は、日本の伝統美を感じさせると同時に、純白の背景と相まって上品で清楚な印象を与えます。これらの技法は、古くから続く伝統を守りながらも、現代の暮らしに合わせたデザインや形状が揃っているため、日常使いにも適しています。

 

出石焼は、1980年に国の伝統的工芸品に指定され、現在でも4軒の窯元が製作を続けています。各窯元は、伝統を受け継ぎながらも時代の変化に合わせたアイデアを取り入れ、観光客向けの絵付け体験なども提供している点が魅力的です。

 

出石焼の真髄は、その美しさと機能性のバランスにあります。純白の透明感と繊細な技法が組み合わさった出石焼は、日本の伝統工芸品として、世界に誇れる存在となっています。その魅力を感じるために、ぜひ実際に手に取って、日常使いやインテリアとして楽しんでみてください。

 

出石焼の歴史

出石焼は、兵庫県豊岡市出石町にある歴史ある陶磁器の産地です。1764年、泉屋治郎兵衛と伊豆屋弥左衛門が土焼窯を創業したことが始まりで、最初は陶器が主体でした。しかし、1784年に伊豆屋弥左衛門が出石町における窯業の基盤を築きました。

 

江戸時代後期には、出石藩が大量の白磁の鉱脈を発見し、白磁を原料とした磁器生産が始まりました。出石焼は、伊万里焼の陶士によって技法を学び、色物磁器の生産も始めました。

 

江戸の天保期(1830~1844年)には、藩窯だけでなく民窯も盛んになり、興亡を繰り返しながらも、その伝統は廃れることなく続いています。明治時代には、伊万里焼の陶匠を招いて品質改良を成功させ、全国的な名声を高めました。

 

1980年3月、出石焼は国の伝統的工芸品に指定され、現在も観光土産や贈答品、美術工芸品として親しまれています。純白の器は食器としてもふさわしく、地元の名産品である出石そばを出すお店でも多く使われています。

 

出石焼の作り方

出石焼の作り方は、伝統的な技術と手間暇をかけた工程が特徴です。以下にその主な工程をまとめます。

 

磁土作り: 陶石をすりつぶし、練り固めて粘土状の磁土を作ります。

成形: 磁土を練り、空気を抜いた後、ろくろを使って成形します。成形後、底や表面を削ります。

乾燥: 成形した作品を家の中で20日から1ヶ月間乾燥させます。

彫り: 必要に応じて、表面にレリーフ状の模様を彫ります。

素焼: 800~900度の火で12~20時間かけて作品を焼き、2日間冷ます。その後、窯から出します。

絵付: 青色の絵付の場合は呉州を塗り、赤色の場合は釉裏紅を使って絵付けします。

釉薬をかける: 透明釉や結晶釉(滑石を加えたもの)を作品にかけ、保護します。

本焼: 1250~1300度の火で20時間前後焼きます。

窯出し: 本焼から3日目に窯から出し、完成となります。

出石焼は、柿谷陶石を原料にして作られ、独自の技法で装飾が施されます。手間暇をかけて丁寧に作られるため、窯元ごとに個性の異なる作品が楽しめます。純白を追求したものや、繊細な絵付けが施されたものなど、さまざまな表情が魅力です。

出石焼を代表する窯元4選

出石焼の窯元1:上田陶磁器店(うえだとうじきてん)
創業年 1890年
営業(営業日/営業時間/定休日) 9:00~18:30
元旦のみ休業
代表 上田実生
住所 兵庫県豊岡市出石町田結庄21
電話番号 0796-52-2002
アクセス JR豊岡駅から出石行きバスで約30分「出石営業所」下車、徒歩5分
HP https://www.izushi.co.jp/izushiyaki/ueda/
体験(あればURL) 不明

出石焼の窯元2:虹洋陶苑(こうようとうえん)

創業年 1972年
営業(営業日/営業時間/定休日)                10:00~17:00頃
不定休
代表 山本耕太郎
住所 展示場  兵庫県豊岡市出石町八木57
アトリエ 兵庫県豊岡市出石町谷山761-5
電話番号 展示場  0796-52-5945
アトリエ 0796-52-3239
アクセス 【電車でアクセス】京都方面から特急で約2時間30分/JR山陰本線「特急きのさき」にて「豊岡」「江原」「八鹿」いずれの駅で下車。全但バス、出石行きで約30分。

大阪方面から特急で約2時間30分/JR福知山線「特急こうのとり」にて「豊岡」「江原」「八鹿」いずれの駅で下車。全但バス、出石行きで約30分。

【車でアクセス】
大阪・神戸・京都から約3時間。姫路から約2時間。

HP http://www.kouyoutouen.com/
体験(あればURL) 絵付け体験可:15分~30分
価格:1,870円(消費税込)
http://www.kouyoutouen.com/pg24.html

 

出石焼の窯元3:永澤兄弟製陶所(ながさわけいていせいとうしょ)

創業年 1907年
営業(営業日/営業時間/定休日) 10:00~16:00

お盆・年末年始の休業

代表 永澤 仁
住所 兵庫県豊岡市出石町内町92-1
電話番号 0796-52-2155
アクセス JR豊岡駅から出石行きバスで約30分「出石営業所」下車、徒歩5分
HP https://www.izushiyaki-nagasawa.com/
体験(あればURL) 絵付け体験可:20分程度
価格:1,700円~(税別)
https://www.izushiyaki-nagasawa.com/taiken/

 

出石焼の窯元4:山本製陶所(やまもとせいとうじょ)

創業年
営業(営業日/営業時間/定休日) 9:00~17:00頃
無休
代表
住所 兵庫県豊岡市出石町本町106
電話番号 0796-52-2437
アクセス JR豊岡駅から出石行きバスで約25分、「沢庵寺口」下車、徒歩5分
HP https://www.yamamoto-seitousho.com/
体験(あればURL) 不明