「麗し(うるわし)」や「潤し(うるおし)」が語源とされる「漆」。
私たちが毎日何気なく使っているお椀やお箸にも、漆が塗られていることもありますよね。
今回は、そんな日本人に馴染み深い「漆」についてのご紹介です。
知っているようで知らない「漆」の性質、魅力について見ていきます!
「漆」って何?
「漆」はウルシの木の樹液を加工した天然樹脂で、熱や湿気、酸、アルカリ、塩、アルコールに強く、耐水性、断熱性、防腐性にも優れている、という特性を備えています。
「漆」は、その特性を活かして、塗料として使われる他、陶磁器の破損を直す金つぎなどで接着剤としても使われます。例えば、丹塗りの綺麗な輪島塗は有名ですよね。
また、中尊寺の金色堂や、京都の金閣、日光東照宮の修復にも「漆」が使われているんですよ!私たち日本人にとって「漆」はとても身近なんですね。
ちなみに金つぎについて知りたい方はこちらの「割れた食器も使えるようになる!?金継ぎとは?」をご覧ください。
「漆」9000年の歴史!?
現在の日本では伝統工芸としての地位を確立している「漆」の技術ですが、実は、「漆」は、今からさかのぼること9000年前、縄文時代の日本でも装飾の方法として使われていたことが、遺跡からわかっています。
そんな大昔から、人々が「漆」を活用していたなんて、驚いてしまいますね。「漆」を取ることができるウルシの木は、日本の他にも中国や朝鮮、タイ、ベトナムなどのアジアでも生育していますが、その木から樹液を取り「漆」として活用したのは、日本が初めてだと言われています。
「japan」と言われた「漆」
「漆」が塗料として使われた漆器は、光沢のある黒色や朱色が有名ですよね。そんな独特の美しさは、日本人だけでなく、世界の人々をも魅了しました。
鎖国をしていた江戸時代でも漆器はオランダを通じて世界中に渡っていたようです。世界の人々をも魅了した「漆」は、日本が代表するものとして「japan」と呼ばれています。(ちなみに、陶磁器は、中国がそれを代表するとされ「china」と呼ばれています。)
「japan」で辞書を引くと、しっかり「漆」「漆器」と出て来ます!このことからも、日本が大昔から受け継いできた「漆」の技術が、世界に認められているということがわかりますね。
おわりに
いかがでしたでしょうか?
日本の誇る「漆」について、簡単にご紹介しましたが、「漆」の魅力はまだまだたくさんあります!
現代においても、世界中の人々を魅了し続ける、「漆」についてもっと知りたい!と思っていただけたなら幸いです。