桜の季節が一気に過ぎて、日中はちょっと暑いな、と感じる季節になりました。今年ももうすぐやって来る、暑〜い夏。
ところでみなさん、節電意識を忘れていませんか?
無理は禁物ですが、今年もなるべく地球に優しい夏にしたいものですよね。そんなあなたに欠かせないのが、夏の必需品であるうちわと扇子。お世話になる夏に備えて、それぞれについて知っておきましょう!
うちわの歴史
うちわも扇子も、形は違えど、仰いで涼むことが目的のとっても似た道具ですよね。でもこの二つの歴史を見ると、大きな違いがあるんです。うちわは、中国から日本に伝わった道具。
日本に伝来したのは飛鳥時代のことで、当時は翳(さしは・さしば)と呼ばれていました。仰ぐ以外に顔を隠して威厳を表したり、邪気を祓ったりといった使い方もされていたそうです。さらに虫を払う目的で使用されたことから、「虫を打つ(さし)は」が転じて「うちわ」と呼ばれるに至ったという説があります。
扇子の歴史
一方扇子は、われらが日本の発明品。うちわが日本に伝わってからたった100年ほどの間に、うちわを改良して生まれたのが扇子なんです。改良ポイントはもちろん、折りたためるようになったこと。持ち運べるコンパクトさが嬉しいのは、平安時代も同じなんですね。
扇子の原型は檜扇(ひおうぎ)と呼ばれ、身分の高い上流階級の人しか持てなかったのだそうです。使用目的は扇子も涼むことに限らず、神事や儀式、茶道や舞踊の場面でも使用されました。
うちわ・扇子の今
こうした歴史の背景は、現代のうちわ・扇子それぞれの使われ方に影響しています。
まず、うちわは主に夏だけ使用するのが普通ですが、芸術の場面でも使用される扇子は一年中目にすることができます。今でも茶道には、扇子を敷居に見立てた作法がありますし、落語家の方も扇子を上手に使ってお話をされていますよね。
またうちわはカジュアル、扇子はフォーマルな印象がありませんか?
これも扇子が儀式で使用されたことが影響していると思われ、扇子がフォーマルな場でも使用可能なのはそのためです。
涼しさ対決!うちわ VS 扇子
それぞれの成り立ちの違いがわかったところで、実用的な部分も見ていきましょう。やっぱり現在は涼むのが一番の目的。どちらが涼しいのかは重要なポイントですよね。
感じ方は人によって違うかもしれませんが、基本的にはうちわの方が涼しいようです。というのも先ほどご紹介した通り、うちわは涼しさに特化していて、扇子は持ち運びに特化しています。
便利な扇子ですが、涼しさに関してはちょっと、うちわに劣ってしまうのですね。
必見!おもしろミュージアム
意外と奥が深い、うちわと扇子。もっと知りたい!と思われた方に追加情報です。うちわ専門の博物館、その名も「うちわの港ミュージアム」が香川県にあるのだそう。展示のほかに、うちわ作りの実演コーナーもある上に入館も無料なので、香川に行かれた際はぜひ訪ねてみてください。
扇子の博物館なんてないかな…と思ったら、ありました、扇子博物館!こちらはちょっと遠いのですが…場所はなんと、ロンドン。日本の扇子から洋風扇子まで4,000もの扇子が見られるそうで、扇子好きにはたまらない博物館ですね!
まとめ
うちわと扇子の歴史を知って、違いがわかるようになりました。
もっと知りたいので、香川とロンドンに足をのばしてみようかな…
古くから世界中の「涼しい」をつくってきた、うちわと扇子。
今年の夏も、お世話になります!