江戸和竿

江戸和竿の歴史~職人の熟練技が魅せる伝統工芸品~

江戸和竿の歴史を年代別にかんたんに紹介

1180年頃: 京都で継竿が発祥する(平安時代末期)。
1675年: 俳書に「いれこ竿」が登場し、京都が継竿の発祥地であることが示唆される。
1718年~1735年: 江戸における継竿の発祥(享保年間)。
1781年~1788年: 江戸和竿が泰地屋東作によって上野広徳寺前で創業される(天明年間)。
明治~昭和初期: 江戸和竿の全盛期。釣音こと中根音吉や竿忠こと中根忠吉が活躍する。
戦後: 新素材の登場により竹竿の需要減少。
1991年: 江戸和竿が伝統的工芸品に指定される(平成3年)

江戸和竿の歴史(詳細)

江戸和竿の歴史は、釣竿の一種である継竿の発祥に始まります。継竿は、京都で平安時代末期の1180年頃に発祥したとされていますが、これを裏付ける資料は現存していません。江戸時代初期の1675年に出された俳書に「いれこ竿」が登場し、京都が継竿の発祥地であることが示唆されています。

江戸における継竿の発祥は享保年間(1718~1735年)とされ、その技術の発展は1788年に台東区下谷稲荷町の広徳寺前で創業した「泰地屋東作」によって大きく影響されました。江戸和竿は、異なる竹を継ぎ合わせて作る継竿で、竹の選別と乾燥、切り組みによって竿の調子を決定します。

江戸和竿の全盛期は、明治から昭和初期で、二代目東作のもとで修業した釣音こと中根音吉やその長男で名人とされる竿忠こと中根忠吉が活躍しました。しかし、戦後のグラスファイバーやカーボンなどの新素材の登場により、竹竿の需要は減少しました。現在では、江戸和竿はこだわりを持つ釣り師の贅沢品として愛好家に親しまれています。平成3年(1991年)、江戸和竿は伝統的工芸品に指定されました。

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