村上木彫堆朱

村上木彫堆朱の歴史~繊細な彫刻、幾重にも重なる漆塗~

村上木彫堆朱の歴史を年代別にかんたんに紹介

平安末期〜鎌倉初期(12世紀末〜13世紀初頭):堆朱が日本に伝来。
1400年頃:京都から来た漆工が新潟県村上市で漆技を始める。
江戸時代中期(17世紀後半〜18世紀初頭):武家のたしなみとして武士間で堆朱が広まり、村上城主が漆奉行を置いて漆の増産を図る。日本一の産出量を記録。
享保年間(1716年〜1735年):内藤紀伊守弌信が村上藩主となり、彫漆工芸が盛んになる。
昭和30年(1955年):村上木彫堆朱が新潟県の無形文化財に指定され、国の記録化対象に選択される。
昭和51年(1976年):村上木彫堆朱が国の「伝統的工芸品」に指定される。

村上木彫堆朱の歴史(詳細)

村上木彫堆朱の歴史は、中国の唐代に起源を持ち、平安末期から鎌倉初期に日本に伝来したとされています。特に新潟県村上市における堆朱の技術は、1400年頃に京都から来た漆工によって始められたと伝えられており、江戸時代中期には武家の間で武士たちのたしなみとして広まり、藩主の奨励により町民にも広く伝わりました。村上城主は「漆奉行」を設置し、漆の増産に努め、江戸時代中期には日本一の産出量を記録しました。

村上木彫堆朱は、木地に繊細な彫刻を施し、漆を何回も塗り重ねて仕上げる独特の技法で作られています。この技法により、躍動感のある彫りや細かい地紋が表現され、使うほどに色艶が増し透明感が出てきます。昭和30年(1955年)には新潟県の無形文化財に指定され、同年には国の記録化対象にも選ばれました。さらに昭和51年(1976年)には国の「伝統的工芸品」に指定されました。

近年では、新たな技法も生み出され、現在では堆朱・堆黒(ついこく)・朱溜塗(しゅだめぬり)・色漆塗(いろうるしぬり)・金磨塗(きんまぬり)・三彩彫(さんさいぼり)の6種類の技法を統合し、村上木彫堆朱として知られています。"

-村上木彫堆朱