京友禅

京友禅の歴史~多彩な色彩で魅了する京都の伝統染織品~

京友禅の歴史を年代別にかんたんに紹介

桃山時代後期〜江戸時代初期:京友禅の起源となる「辻が花染」、「茶屋染」が創り出される。
元禄時代(1688年〜1704年):京友禅が宮崎友禅斎によって確立される。
1687年:「源氏ひながた」上巻に「友禅染め」という言葉が記載される。
明治時代:化学染料と糊で色糊を作り、型紙による写し友禅染めが廣瀬治助翁によって発明される。
1976年:京友禅が経済産業省指定伝統的工芸品に指定される。

京友禅の歴史(詳細)

京友禅は約300年前、元禄時代に京都で宮崎友禅斎によって確立された模様染めの技法です。起源は桃山時代後期から江戸時代初期にかけて創り出された「辻が花染」や「茶屋染」と考えられており、町人文化の栄えた江戸時代に最盛期を迎えました。友禅斎は扇面師として扇に絵を描くことを生業としていましたが、その描く画風を着物の意匠に取り入れることで友禅染めが誕生しました。この技法は、布を染める古くからある技法に新しい息吹をもたらし、華麗な模様染めの分野に革新をもたらしました。

京友禅の特徴は、異なる色がにじまないように模様の輪郭を糸目状に糊を置いていく糸目友禅染という技法にあります。この技法で作られた友禅染めは、動物や器物が流れるように描かれるのが特長で、非常に人気がありました。明治時代には、化学染料と糊を用いて色糊を作り、型紙によって友禅模様を写し染める「写し友禅染め」が廣瀬治助翁によって発明され、「型友禅」として大量生産が可能となりました。この革新により、友禅染めは一気に普及し、飛躍的な発展を遂げました。

また、京友禅を語る上で忘れてはならないのが京都の地下水です。この良質な水が、華やかな色と柄に生命を与える重要な要素となっています。1976年には、経済産業省指定伝統的工芸品として指定され、世界中から高い評価を得ています。京友禅は、伝統図柄だけでなく新しい息吹との調和も提案しており、生活に豊さと潤いを与える工芸品として、現代においても広く愛され続けています。

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