日本独特の食文化って、いろいろありますよね。
その中でも今回は「すする」文化について。
普段何気なくすすっている方が多いと思いますが、意外と奥深いものでした!
「すする」の文化的価値を発信していきます。
これぞ粋!江戸っ子も「すする」
日本人がいつからすすっていたのか…
諸説ありますが、基本的には江戸時代の蕎麦がその始まりとされています。
江戸中期以降、町人が勢いよくかき込んで食べていたのが蕎麦。皆さん、蕎麦を食べる時、低いお膳とお箸を使いますよね。長い麺をお箸で一口に入れるのはとっても難しい…そこで最適だったのが「すする」という方法でした。
そして、江戸っ子にとっては食事も粋に楽しむのがルール!
静かに食べたらまずそうだし、かといってむやみに音を立てれば良いというわけでもありません。一番おいしく食べられるように絶妙にすするのが、粋な江戸っ子である証拠だったんですね。
他にも、落語の影響で「すする」文化がひろまったとする説もあるようですがいずれにせよ日本人にとって「すする」のは、麺類を楽しむのに欠かせない文化ですよね。
「すする」ことでおいしいのには訳があった!
実は「すする」ことの価値は伝統だけではありません。すするとおいしいのには、ちゃんと理由があるんですよ。
麺を空気と一緒にすすったとき、香りも一緒に鼻と口を通ります。こうすることでより香りが引き立ち、豊かな風味を味わうことができるのです。
それから、「麺がのびないうちに食べたいのに、熱くて食べられない!」という経験はありませんか?
そんなときもすするのが有効です。麺を一気すすることで麺が冷たい外気に触れ、効率良く冷ましながら食べることができます。
粋であるだけでなく、おいしく食べるために最適な方法として、「すする」文化が根付いたのでした。
気になる海外の反応は?
基本的に、食事の際に音を立てるのは良くないことと思っている人が多いですよね。これは明治以降に伝わった西欧諸国の文化の影響です。とくにヨーロッパでは音を立てて食事をするのはマナー違反。
この文化的価値観の違いから日本の「すする」文化を嫌う外国人が多いのは事実です。でも最近では、観光業やメディアの発展で、「すする」文化に興味をもつ人も多いんだとか!
日本で麺をすすって食べるのが、一種のエンターテインメントなんでしょうね。「すするのはおいしい証拠」という日本の食文化がだんだん受け入れられていくのは嬉しいことですよね。
最後に「すする」ポイント
「すする」文化に馴染みのある日本人でも、中には上手にすすれない人もいます。女性や子供など筋力が弱く吸引力の弱い人にとっては、すすって食べたくてもなかなか上手くいかないようです。
また、汁を空気と一緒に吸い込むことでむせたり、周りに飛び散ったりと、意外と障害が多いのが実態…日本に来たからには!とトライする外国人にとっても、実は簡単ではないみたいです。
そんな方は是非、唇の形を意識してみてください!
唇をすぼめすぎると上手くすすれないので「ウ」ではなく「オ」の形にするといいですよ。
これであなたも、「すすり名人」です。