食器やオブジェに見られるように、日本人は昔から焼き物を様々なことに利用してきました。その中でも大型で珍しいのが「埴輪」です。
埴輪は粘土を様々に成形して色を付けて焼いた素焼きの焼き物で、死者を祀る古墳とともに生まれたと言われています。
土偶とどう違うの??
埴輪も土偶も焼き物で人の形をしたものがあるということで具体的な違いがわからない方もいらっしゃるかと思います。
土偶は、縄文時代初期から製作された土製品で、ほとんどの「土偶」は、乳房や臀部などの女性的な身体特徴を強調した造形をしており、一部が故意に破壊されたと見られる状態で出土することが多いようです。
そのため祭祀などで呪術的な用途として使われたとする説があります。一方、埴輪は弥生時代から作られているもので土偶よりも比較的新しいのです。
また人型以外にも様々な形があり、用途は古墳の周りに並べることです。埴輪についてはこの後詳しく紹介しますが、一番大きなものとしては形状がかなり違うようです。
つまり、作られていた時期と用途が大きく違うようですね♪
埴輪の種類
埴輪は大きく円筒埴輪と形象埴輪の2種類に区分されます。埴輪の中で一番早く登場するのが円筒埴輪です。その起源は、弥生時代後期に吉備地方で発達した葬送儀礼用の特殊な土器でした。
最初の前方後円墳といわれる箸墓古墳の葬送儀礼で使われた器台や壺がもっとも古いようです。しかし形が単純だからといって侮ってはいけません!
円筒埴輪はとても多く使用されたことや、前方後円墳の広がりとほぼ同時に全国的に広く使用されたことから、その古墳の年代を決定する指標ともなるのです。
もう一種類が形象埴輪といって、家・人物・動物・盾などをかたどった埴輪です。みなさんが埴輪と聞いて一番最初に思い浮かべるのもこちらではないでしょうか。
目と口が丸く開いている木霊のような顔つきの人形埴輪はなんとなく優しげでかわいいですよね。ちなみに人の他にも、馬や茅葺き屋根の家など様々な形のものがあります。
家形埴輪は墳頂の中央部に配置されるもので、単独で置かれることは少なく複数で置かれ、その周りを円筒埴輪や器財埴輪が取り囲んでいるため首長の居館や神殿・祭殿などの建築物がどこにあったかを復元するのに役立っています。
動物の形だと飾り馬が最も多く、亡くなった方の権威を表していました。埴輪にはたくさんの種類があり、それぞれの形や並べ方に意味が込められているのです。
現代の埴輪
出典:takatsuki-scramble.com/line-hanitan
さて弥生時代に作られていたという埴輪ですが、今でも園芸用などに製造はされているようです。確かに埴輪は表情が柔らかいものが多く、質感も温かみがあるのでオブジェとして使えそうですね。とはいえ埴輪をお持ちの方はごく少数だと思います。
もっと身近な存在だと、ゆるキャラのモチーフにも使われているようです。埴輪の発掘が多い宮崎県では「ハニア」という女の子のキャラクターが高校総合文化祭の公式キャラクターとして活躍しています。
また大阪府高槻市の公式キャラクターの「はにたん」(写真参照)は武人埴輪をモチーフにして、おりシンプルに可愛い子です。このように現代では地域のPRのために使われているようです!
終わりに
埴輪は遠い時代から亡くなった人を送るための副葬品として作られていたようです。人形、焼き物にはいろいろな種類があり、奥が深いことを感じさせられます。博物館などに行く機会があれば、ぜひいろんな埴輪をチェックしてみてくださいね。
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