江戸硝子

江戸硝子の作り方を徹底解説!各製法の違いや製造工程別に詳しく解説

江戸時代から続く日本の伝統工芸品・江戸硝子。その独特な美しさと高い技術力により、世界中から愛されています。

この記事では、江戸硝子の製法・製造工程・製造元について詳しく解説します。江戸硝子の美しい世界に触れ、その奥深さを感じてみましょう。

江戸硝子の製法の種類

江戸硝子の製法は主に3つに分類されます。

「宙吹き」、「型吹き」、「押し型」の3つの製法があり、それぞれ異なる特徴と表現が楽しめます。

ここでは、それぞれの製法について詳しく見ていきましょう。

【江戸硝子の製法1】宙吹き(ちゅうぶき)

宙吹きは、吹き竿を使ってガラスを自由に成形する製法です。

硝子種を吹き竿に巻き取り、空気を送り込みながら、ハシやハンマーなどの道具を使って成形していきます。

型が使用されないため、自由なデザインを表現できますが、その分職人の技量が重要となります。

宙吹きによって生み出される作品は、繊細で美しいフォルムが特徴です。

【江戸硝子の製法2】 型吹き(かたぶき)

型吹きは、木型や金型にガラスを吹き込んで成形する製法です。

宙吹きと同様に、空気を送り込みながら成形しますが、こちらは型に合わせて形作られるため、均一な形状の作品が作られます。

型吹きによって作られた作品は、美しいシルエットと緻密なディテールが魅力です。

【江戸硝子の製法3】 押し型(おしがた)

押し型は、型で挟んでプレスすることで成形する製法です。

雌型と雄型があり、硝子種を雌型に流し込み、雄型を押していきます。上下に挟むようにプレスして成形し、立体的なデザインが表現できます。

押し型による作品は、肉厚の皿・鉢などを作るのに適しています。

江戸硝子の製造工程

江戸硝子の製造工程は、以下のような手順で進められます。

【江戸硝子の製造工程1】原材料の溶解(ようかい)

まず、珪砂、ソーダ灰、石灰、炭酸カリ、酸化鉛などの原材料を混ぜ合わせ、約1400度の溶解炉に入れて水飴状になるまで溶かします。

この溶解したものを「硝子種」といい、江戸硝子の基本素材となります。

【江戸硝子の製造工程2】 成形(せいけい)

溶解された硝子種を、宙吹き、型吹き、押し型のいずれかの製法で成形していきます。

この工程では、職人の技術が最も重要となり、作品の美しさや独特の表現が生まれます。

【江戸硝子の製造工程3】 徐冷(じょれい)

成形された硝子は、すぐに冷やすとヒビが入るため、ゆっくりと冷まさなければなりません。

この際、500度前後の「徐冷点」で硝子を徐冷釜に入れ、温度を徐々に下げていくことで、耐久性のある江戸硝子が完成します。

代表的な江戸硝子の製造元3選

江戸硝子は、東京都内を中心に数多くの工房が存在しています。それぞれの工房では、独自の技法やデザインが生み出され、さまざまな作品が制作されています。

以下に、著名な江戸硝子の製造元を3つ紹介します。

太武朗⼯房

伝統技法と現代的なデザイン性を融合した硝子作品を制作する工房です。江戸期から愛されている⼩紋柄や浮世絵をモチーフにしつつ、独創性の高い作品を生み出しています。

田島硝子

半世紀にわたり時代に合った硝子製品を一つ一つ熟練した職人の手づくりで丁寧につくり続けている工房です。伝統的な江戸硝子のみにとどまらず、富士山をかたどった「富士山グラス」にも力を入れています。

八千代窯

八千代窯(やちよがま)は、江戸時代からの伝統技術と現代のデザインを融合させた作品を制作しており、職人たちの技術が息づく美しいガラス製品が特徴です。江戸切子のほか、宙吹きや型吹きなどの技法を用いた江戸硝子の作品も制作しています。

また、八千代窯では、ガラス工芸に興味を持つ人たちに向けて、体験教室や見学ツアーも開催しています。ガラス吹きや江戸切子の技法を学ぶことができる体験教室は、伝統工芸に触れる貴重な機会となります。

まとめ

江戸硝子は、日本の伝統工芸品として世界中から注目を集めています。製法や製造工程、製造元を知ることで、さらにその魅力を深く理解することができるでしょう。

江戸硝子作品を身近に置くことで、日本の美を感じることができます。ぜひ、江戸硝子の美しい世界に触れてみてください。

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