京扇子

京扇子の歴史~日々を彩る伝統扇子~

京扇子の歴史を年代別にかんたんに紹介

平安時代初期:京扇子の起源。木簡から派生し、桧扇が作られる。
877年:東寺の千手観音像の腕の中から発見された元慶元年と記された桧扇が現存する最古の扇。
824~833年:天長年間に御影堂で阿古女扇が作られる。
平安時代中期:蝙蝠扇が使用されるようになる。
13世紀頃:京扇子の中国への輸出が始まり、ヨーロッパに伝わる。
室町時代:能、茶道、香道などの専用扇子が作られるようになる。紙扇と呼ばれる扇子が出現。
江戸時代:扇子製作が「京の三職」として官の保護を受けるほどの重要な産業に。庶民の日常生活に普及。
大正時代中期:扇子の輸出が盛んになるが、その後は国内市場に限られる。
現代:京扇子は日本の扇子生産高の約9割を占め、伝統的手法を守りながら現代にもその姿を伝えている。

京扇子の歴史(詳細)

京扇子の歴史は平安時代初期に遡り、最初に作られたのは「桧扇」と呼ばれる薄い桧板を重ね綴ったもので、元慶元年(877年)に東寺の仏像の腕の中から発見されたものが最古とされています。この時代には木簡から派生し、京都で製作された桧扇が筆記用具の代わりとしても用いられていました。また、平安時代には貴族の間で「ひいな人形」を使った遊びが流行し、これが京人形の始まりとも考えられています。

江戸時代になると、京扇子は国内外に輸出され、特に13世紀頃には中国を経由してヨーロッパにも伝えられ、ルイ王朝を彩りました。その後、日本に逆輸入される形で絹扇が生まれ、京扇子の技術と美がさらに発展しました。京扇子は、宮廷用、能、狂言、舞踊、茶道、香道など様々な用途に応じて制作され、時代を経て現在見られる形となりました。

鎌倉時代からは、京扇子の海外輸出が始まり、特に中国やヨーロッパに伝わった京扇子は、西洋風の文化が加わり新しい要素を取り入れた絹扇を生み出しました。また、平安時代から京扇子は記録用具としての役割も担っていましたが、蝙蝠扇や紙扇の登場により、庶民の日常生活にも普及しました。

江戸時代には、扇子製作は「京の三職」として官の保護を受けるほど重要な産業になり、庶民の必需品として日常生活に広く普及しました。京扇子はその後も発展を続け、大正時代中期まで盛んに輸出されましたが、現在は国内市場が中心で、京扇子は日本の扇子生産高の約9割を占めています。

京扇子は1200余年の歴史と伝統的手法を守りながら、現代にもその優雅で風雅な姿を伝えており、「舞扇堂」などの伝統工芸を守る職人によって、四季折々に息づく新しいデザインの京扇子が作られ、使用される人々に愛され続けています。

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