播州そろばん

播州そろばんの歴史~日本の発展を支えてきた由緒正しき算盤~

播州そろばんの歴史を年代別にかんたんに紹介

室町時代末期 そろばんが中国から長崎を経由して大津に伝わる。
文禄年間(1592~95年) そろばんが日常生活に使われ始め、毛利勘兵衛重能が京都で珠算を教授し、全国に普及するきっかけを作る。
天正年間(1573~91年) 豊臣秀吉が三木城を攻略した際、大津方面に逃れた住民がそろばんの製造技術を習得し、帰郷して製造を始める。
天保年間 そろばん珠の製造が始まり、農家の副業として広まる。
明治5年 学制公布により、国民皆学が始まり、教育現場でのそろばんの需要が拡大。
昭和35年(1960年) そろばん製造の全盛期を迎え、年間360万丁の生産が行われる。
昭和51年(1976年) 「播州そろばん」が伝統的工芸品に指定される。

播州そろばんの歴史(詳細)

播州そろばんの歴史は室町時代の終り頃に始まり、中国から長崎を経由して大津に伝わったとされています。安土桃山時代に、豊臣秀吉の三木城攻略時に大津に逃れた住民がそろばんの技法を習得し、地元に戻って製造を始めたのが播州そろばんの始まりです。天保年間には三木の久留美・大村でそろばん珠の製造が始まり、農家の副業として広がりました。江戸時代初期には「読み・書き・そろばん」の教育が寺子屋で始まり、そろばんが広く普及しました。中国のそろばんが日本で改良され、弾きやすいひし形に変更されたこともこの時期の特徴です。

明治5年の学制公布以降、教育現場での需要が拡大しました。昭和35年には製造の最盛期を迎え、年間360万丁が生産されましたが、電卓の普及などにより需要は減少しました。にもかかわらず、そろばんは教育的効果が認められ、小学校の算数教科に取り入れられ、幼児教育や高齢者の認知症予防器具としても見直されています。昭和51年には伝統的工芸品に指定され、小野市を中心に振興事業が展開されています。

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