播州毛鉤

播州毛鉤の歴史~緻密な手作業による美しい擬餌針~

播州毛鉤の歴史を年代別にかんたんに紹介

1678年: 『京雀跡追』に毛鉤師伊右衛門の名が登場。
元禄年間(1703年): 金箔が毛鉤に使用される。
天保年間(1830年〜1844年): 京都から播州に製法が伝わり、産地が形成される。
昭和62年(1987年): 通商産業大臣(現在の経済産業大臣)により伝統的工芸品に指定される。
現在: 漁業用釣り針、レジャー用釣り針・毛鉤が全国生産額の9割以上を占める。

播州毛鉤の歴史(詳細)

播州毛鉤の歴史は古く、古墳時代に疑似針を用いた釣りの例が見られることから、その起源は非常に古いとされています。現在の毛鉤の祖とされる文献が近世に登場し、延宝6年(1678年)に刊行された『京雀跡追』に毛鉤師伊右衛門の名が見えることから、毛鉤製造が職業として成立していたことがわかります。元禄年間には鮎の毛鉤釣りが京都を中心に関東まで広がり、江戸時代中期に播州で毛鉤の生産が始まりました。天保年間(1830年~1844年)には京都から製法が伝わり、江戸末期に播州地方で産地が形成され、昭和62年(1987年)には伝統的工芸品に指定されました。この技術は、農家の副業から始まり、技術の向上と共に全国的に名声を博し、現在では漁業用釣り針、レジャー用釣り針・毛鉤が全国生産額の9割以上を占めるほどに発展しています。毛鉤は虫に似せて作られ、わずか1cm足らずの鉤に数種類の鳥の羽を絹糸で巻き付け、金箔や漆を使用して見事に仕上げられています。

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