羽越しな布

羽越しな布の歴史~日本三大古代織に数えられる織物~

羽越しな布の歴史を年代別にかんたんに紹介

縄文時代:草木の繊維から織物を作る技術が存在。
平安時代(794年-1185年):延喜式に「信濃布」が記載される。この時点で羽越しな布が織られていたと推測される。
昭和後半(1945年-1989年):羽越しな布が民芸品として加工され、その価値が再認識され始める。
1985年頃:鶴岡市関川地区に「関川しな織りセンター」が設立され、地域による羽越しな布の保護と継承が始まる。
2005年9月:羽越しな布が経済産業省によって伝統的工芸品に指定される。

羽越しな布の歴史(詳細)

羽越しな布は、古代から日本の山野に自生する植物の繊維を用いて織り上げられてきた伝統的な織物で、正確な起源や織り始めた時期は不明ですが、縄文時代から草木の繊維から織物を作る技術があったとされています。平安時代に編纂された延喜式に「信濃布」としてその存在が記載されており、沖縄の芭蕉布や静岡の葛布とともに「三代古代織」の一つに数えられるほど歴史のある織物です。

昔は日本各地で生産されていたものの、木綿や絹の普及、戦後の化学繊維の大量生産によって多くの産地でその生産が衰退しました。しかし、羽越しな布は山形県鶴岡市関川と新潟県村上市雷、山熊田で織り継がれ、冬の厳しい自然条件下での貴重な現金収入源として女性たちによって守られてきました。この地域で織られるしな布は2005年に伝統的工芸品に指定され、羽前と越後を組み合わせた「羽越しな布」として知名度を高めています。

関川しな織りセンターが設立されたのは1985年頃で、地域一体となって羽越しな布の保護と継承に努めています。現在も昔ながらの技術や技法が受け継がれ、自然素材の布としての魅力を持ち続け、多くの人々を惹きつけています。

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