コラム

最高の引き立て役、生活に欠かせない塩

世界中で使われている塩はとてもとても古い時代からあり、私たちの生存の助けとなってくれた食物の一つです。今回は日本人と塩との切っても切れない関係を見ていきましょう。

変わりゆく製塩方法

藻塩

出典:www.oganavi.com

日本で塩が使われるようになったのは縄文時代の終わりから弥生時代の始まり頃だと言われています。縄文時代は基本的に移動しながら動物を狩ってその肉を食べていたのでそこから塩分を摂取することができましたが、弥生時代に移行するにつれて、定住して農耕を営む生活様式に変わっていくと、塩分は別に摂取しなければならなくなります。こうして塩づくりが始まりました。

日本には海外のような岩塩がなかったので、海水から塩を作り出しました。もっとも古い日本の塩作りは藻塩焼きといって、干した海藻を焼いて、残った塩と灰の混ざったものをつかう方法でした。灰の味は気にならなかったのでしょうか。

百人一首のなかのひとつにも、「来ぬ人を 松帆の浦の 夕凪に 焼くや藻塩の 身も焦がれつつ」という歌があります。これは藻塩焼きのことです。昔から使われている方法だということがこういうところからも分かります。その後、塩田を使うようになり、さらに現在主流のイオン交換膜法へと変わっていきました。

方式の違い

海

化学技術の発達によってイオン交換膜法が主流となっていますが、塩田を使った製塩方法もまだ残っているんです。主に入浜式と揚浜式に分かれます。両方とも海水を砂でできた塩田に染み込ませて塩を採るという点では変わりません。違うのは海水の染み込ませ方で、揚浜式では人が桶に海水を汲んできて塩田に撒きます。入浜式では海面の潮汐を利用して塩田に海水を取り込みます。つまり、入浜式の方が労力を使わずに済むのです。ただし、日本海側では満潮と干潮の差が小さいため揚浜式が多く用いられました。

なくなると大変

汗

汗をたくさんかく時期は特に、体内の塩分が不足しがちです。塩分不足は熱疲労の回復を遅くします。水分だけを摂っていると、体内の塩分濃度がどんどん下がり、結局熱中症の予防にはなりません。熱中症になってしまう前に、きちんと水分と塩分の両方を補給しましょう。

どれくらい摂るべき?

梅干し

いくら大切だといえども、摂りすぎは健康の妨げとなってしまいます。皆さんは、1日の塩分摂取目標量がどのくらいかご存知ですか?男性が8.0g未満、女性が7.0g未満です。数字で表すと少ないように思えますが、具体的にはどの程度なのでしょう。

例えば梅干し一粒に含まれる塩分は約2g、インスタントラーメン一食だと約6g、カレーライス一杯は約3gです。外食が多いとあっという間に目標量を超えてしまいそうです。塩分過多は高血圧の原因なので、気をつけてくださいね。

すいかに塩の謎

スイカ

日本では夏にすいかを食べる時、すいかをより甘くするために塩を少量振りかけて食べることがあります。矛盾した行為のようにも思えますが、実際甘く感じるのだから不思議ですね。これは、塩をかけることによってすいか自体の味が変わるわけではありません。塩のしょっぱさとすいかの甘みを同時に感じると、対比効果によって甘みが引き立つのだそうです。

おしるこや甘酒に塩を入れるのも同じ理由からです。逆に、抑制効果といって塩を入れることで苦味や酸味の強さを抑えることもできます。海外では塩以外にもレモン汁や胡椒、唐辛子、砂糖などをかけて食べる地域も。案外日本人の口にも合うようですよ。

終わりに

塩田は現存しているものはほぼありませんが、復元されたものや体験を行っているところはあるようです。塩田で作られた塩と化学的に作られた塩では風味が違うそうです。インターネットでも販売しているので、塩にこだわりのある方は必見ですよ。

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