プレゼントを贈る際、相手の年齢や贈る時期を考えるとなかなかプレゼントが決まらないという方は多いのではないでしょうか。この記事では、年齢や季節をあまり気にすることがなく、お酒や料理が好きな方にも喜ばれる「ぐい呑み」をご紹介します。
ぐい呑みは、お酒を飲むのはもちろんのこと、ソフトドリンクを飲んだり、盛り付けの際に小鉢として使用したりすることもできて、使用範囲が広いのがポイントです。さまざまな色・形・素材があり、持ちやすさや口当たりの良さ、デザインにこだわったものが多いので、選ぶ楽しみもあります。そこで、ぐい呑みの特徴や選び方をはじめ、プレゼントにおすすめのぐい吞みをたっぷりご紹介していきます。
目次
ぐい呑みとおちょこ、盃の違いは?
ぐい吞みと似たような製品に「おちょこ」や「盃(さかずき)」がありますよね。どの製品も日本酒を飲むときに使われる器ですが、それぞれに違いや特徴があります。いずれも伝統工芸品として、さまざまな商品が販売されています。高級感や特別感があり、ギフトとしてもおすすめです。
今回は、ぐい吞みに焦点を当ててご紹介しますが、その前にまずは、おちょこや盃についても違いを知っておきましょう。
ぐい呑みとは?
ぐい吞みという名前の由来は「ぐいっと呑む」「ぐいぐい飲む」「ぐいっと掴んで呑む」など、諸説あります。おちょこよりも一回りくらい大きく、ぐいぐい呑み進められるようなサイズ感が特徴です。商品によって異なりますが、容量としては50ml前後から1合(180ml)入るものまで、さまざまなサイズで販売されています。
おちょこは徳利(とっくり)からお酒を少しずつ注いで飲むものですが、ぐい吞みは酒瓶からお酒を注いでぐいっと大胆に呑むというスタイルが一般的です。また、素材が特に限定されていないという特徴もあります。
おちょことは?
おちょことは、小さな器を意味する「猪口(ちょく)」という言葉が変化したといわれています。猪口(ちょく)とは「ちょくちょく」「ちょっとしたもの」という意味があり、簡単で手軽という「安直」の直が関連しているという説もあります。
おちょこは、ひと口ふた口でお酒を飲み干せるサイズ感で、容量としては30~45ml程度が一般的です。ぐい吞みに比べると少し小ぶりで、手に収まるくらいのサイズになっています。徳利とセットで使われることが多く、セットで販売されているケースが多いのも特徴です。主に陶磁器でできており、最近ではガラス製や漆器製のものもあります。
盃とは?
盃(さかずき)は、ぐい呑みやおちょこに比べると飲み口の口径が大きく、小さな高台がついた器を指します。漆器の盃は、神事や祭事、正月・節句・結婚式など、ハレの日を祝う席で使われます。
盃はほかの器と形状が違うので、持ち方がわからないという方も多いのではないでしょうか。一般的に、神聖な場では、利き手の中指と薬指で盃の底を挟むように持ち、親指と人差し指で軽く飲み口を支えます。さらに美しく見せるには、反対の手の指を軽く添えて、両手で飲むのがポイントです。盃は、神聖なイメージがありますが、普段使いできるものも多く、さまざまな大きさや素材でできたものが多数販売されています。
ぐい呑みのプレゼント予算の相場は?
ぐい吞みの相場は、素材・大きさ・ブランドなどによっても異なりますが、一般的に700円〜25,000円程度です。ペアで販売されていることも多く、ペアの場合は単品の場合と相場も変わってきます。
高級感のあるぐい吞みをプレゼントしたいという場合は、宮内庁、首相官邸、全世界の日本大使館にクリスタルグラスを納入する食器ブランド「カガミクリスタル」がおすすめです。
カガミクリスタルの商品は、伝統的な江戸切子で高級感があり、7,000円~25,000円程度で販売されています。自分で買うには少し躊躇してしまうけれど、プレゼントでもらうと嬉しい贅沢感がありますよ。
お酒を美味しく飲める、すてきなぐい呑みの選び方
ぐい吞みは日本酒以外にもさまざまな飲み物を楽しむことができますが、日本酒を飲む場合は素材や飲み口によって味わいが変わるともいわれています。ぐい吞みにはさまざまな素材やデザインがあり、どのように選んだら良いか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで、ぐい吞みを選ぶときの選び方のポイントについて、いくつかご紹介します。
素材から選ぶ
ぐい呑みは、さまざまな素材でできており、季節問わずにプレゼントできるのが特徴です。しかし、季節を象徴するような素材を選ぶことによって季節感を楽しむこともできます。日本酒を飲むときは、素材で飲むときの味わいも変わってくるので、相手の好みの飲み方に合わせたものをセレクトするのもおすすめです。
素材 | 特徴 |
ガラス | 涼しげな印象で、夏向け素材です。うすはりのものは、旨味がダイレクトに伝わります。清涼感があり、シャープで繊細な味わいがある冷酒を楽しむときにおすすめです。 |
陶器 | 温かみのある印象で、冬向けの素材です。熱燗を飲むときに使われることが多く、やや甘みのあるお酒に向いています。 |
錫(すず) | 熱伝導が良く、お酒の味をまろやかにする素材です。冷酒を注ぐと器全体が冷えて美味しく飲めます。冷酒やぬる燗との相性が良いのが特徴です。 |
漆器 | 和洋どちらのテーブルコーディネートにも相性が良く、お祝い事にも向いている素材です。盃のイメージがありますが、漆器製のぐい吞みも多く、最近では普段使いもできるデザインのものも多数販売されています。 |
デザインや形状から選ぶ
日本酒は香りの高さや味わいの深さによって「熟酒」「醇酒」「薫酒」「爽酒」の4種類に分けることができます。それぞれの種類によって、相性の良い器のデザインや形があるのでチェックしてみましょう。プレゼントする相手好みのお酒の香りや味わいの深さによって、ぐい吞みのデザインを決めるというのもおすすめです。
独特の色味や香りが魅力の熟酒
熟酒は、熟成による黄みや褐色など、独特の色味や香りがあるのが特徴です。お酒自体の美しさを活かす透明やカット入りのぐい吞みと相性が良いでしょう。お酒の特徴を活かし、重厚感があるもの、美しい色彩のもの、金塗りが施された漆器などとの相性も抜群です。芳醇な香りを包み込んでくれるような、口が狭めのぐい吞みも良いでしょう。
深い米の味わいが特徴の醇酒
醇酒は、米の旨味やコクが濃いのが特徴です。常温はもちろん、熱燗にしても旨味が増します。陶磁器との相性が良く、和風やモダンなデザインがマッチしやすいお酒です。口径より下が膨らんだ形状のぐい吞みを選べば、米の香りをやさしく包み込んで引き立ててくれます。
フルーティーな香りを堪能できる薫酒
薫酒は軽めのお酒が多く、花や果実のようなフルーティーな香りを楽しめます。飲み口が広めのラッパ型のぐい吞みなら、華やかでキレのある薫酒の香りをより引き立たせてくれるでしょう。薫酒は冷やして飲むのが美味しいものが多いので、ガラス製のぐい吞みとの相性が良いのも特徴です。
爽やですっきり飲める爽酒
爽酒は、軽くてすっきりとした味わいがあり、香りが控えめなのが特徴です。そのため、温めて飲むよりも冷やして飲む方が美味しくいただけます。最後まで爽酒のおいしい状態を楽しむには、温度が変わらないうちに飲んでしまうことが大切なので、小さめサイズのぐい吞みがおすすめです。香りが控えめなので、香りをほんのり感じられるような細身でラッパ型のぐい吞みも向いています。
飲み口から選ぶ
おちょこやぐい吞みなどの酒器は、飲み口の広さによっても味わいが違ってきます。プレゼントする相手好みのお酒に合う飲み口で選ぶのもおすすめです。ぐい吞みの場合は、飲み口が広い形だと、香りが閉じこもらず、よりお酒の香りを楽しむことができます。また、濃厚な口当たりになるので、じっくりと味わうようなお酒におすすめです。
飲み口が狭い形のものは、鼻孔に向けてストレートに香りが上がります。すっきりとした味わいを感じることもできますが、お酒が進みやすいのも特徴です。
冷酒を楽しむなら、香りが立ちやすいラッパ型がおすすめです。飲み口が広く、お酒の揮発量が多いため、日本酒の香りをより感じさせてくれるでしょう。熱燗は飲む口が広がっていると冷めやすく揮発しやすいという特徴があります。熱燗が好みの方には、丸みを帯びた口が狭いぐい吞みがおすすめです。
おしゃれさで選ぶ
料理やお酒が好きな人は、食器にこだわっていることも多いので、置いておくだけでも素敵なデザイン性のあるぐい吞みを贈るのもおすすめです。インテリアとしても映えるような、おしゃれなものは喜ばれるでしょう。贈る人が好きそうな色や模様で選ぶのも良いですよ。
喜んでもらえる、ギフトでおすすめのぐい呑み12選
ここからは、おすすめのぐい吞みを素材別に3点ずつご紹介していきます。素材・デザイン・形状などに注目しながら、プレゼントを贈る相手の好みに合うような素敵なぐい吞みを見つけてくださいね。
涼しげで夏にぴったりなガラス製
ガラス製でも人気の高い、切子のぐい吞みをご紹介します。冷酒が好きな方へのプレゼントや夏の贈り物にも最適です。
切子ガラス ぐい呑み 丸盃 青 赤 ブルー レッド カップ ガラス グラス 日本食品衛生対応
職人が一つひとつ丁寧に仕上げた青と赤の切子グラスです。底から中央までは大きな格子模様ですが、上部は細かな格子模様になっており、切子ならではの上品な輝きが楽しめます。
モダンでおしゃれな雰囲気があり、和洋どちらのテーブルコーディネートとも相性抜群です。お酒を入れるのはもちろんのこと、ちょっとした前菜を盛り付けてもおしゃれで見栄えがします。青と赤をセットでプレゼントするのも良いでしょう。
≪伝統の江戸切子≫ 桜文様 ぐい呑ペア ブルーピンク
飲み口が広がった江戸切子のぐい吞みです。江戸切子は1985年には東京都の、2002年には経済産業大臣の指定工芸品に選ばれた江戸時代から続く歴史ある伝統工芸品です。こちらのぐい吞みは、透明と色ガラスの二重構造に仕上げ、職人の匠の技で桜文様をカットしています。
全体的には清涼感のあるブルーが引き立っていますが、繊細な模様や桜を感じさせるような底の淡いピンク色が愛らしさも演出しています。スプーンを入れやすい形なので、デザートやアイスクリームを入れるのにもおすすめです。
≪伝統の江戸切子≫クリスタル ぐい呑み
こちらも江戸切子のぐい吞みです。無色透明の透きガラスの切子で、カット面に受ける光の屈折によって煌めきを感じられます。クリスタルならではのピュアな美しさがあり、お酒の色を楽しめるのも特徴です。伝統文様や花切子が渦巻き状に入っており、角度によって違った美しさを堪能できます。
和風・洋風どちらの料理にも映え、どのようなカラーの食器との相性も良いので、料理好きの方にプレゼントするのもおすすめです。
熱燗をよく飲む人におすすめの陶器製
こちらでは、陶器製で人気の高い萩焼・瀬戸焼・有田焼のぐい吞みをご紹介します。熱燗を好む方へのプレゼントや冬の贈り物にも向いています。
三戸逸雄 萩枇杷面取ぐい呑
萩焼は、山口県萩市一帯を中心に生産されている陶磁器で、起源は古く約400年もの歴史があります。土の風合いを生かした素朴な作風が多く、絵付けなどの装飾がほとんど行われないのが特徴です。
こちらは萩焼で有名な三戸逸雄作のぐい吞みで、萩焼ならではの柔らかい風合いを感じられます。枇杷の穏やかな色と面取りのデザインが、どこかモダンな雰囲気を演出するので、和食・洋食どちらとも相性が良いでしょう。
「2022年 新作」陶房淳 織部 ぐい呑
瀬戸焼は、愛知県瀬戸市一帯を中心に生産されている陶磁器で、常滑焼・信楽焼・丹波焼・備前、越前焼と並ぶ日本六古窯のひとつです。1000年の歴史があり、2017年4月には日本遺産にも認定されています。瀬戸焼は釉薬を使ってさまざまな色を表現できるのが特徴です。
こちらのぐい吞みは、熱燗や醇酒を飲むのに向いています。瀬戸焼ならではの古い歴史、和風なインテリアにマッチするデザインであることから、海外の方やご年配の方へのプレゼントにもおすすめです。
新六ぐい呑 有田焼 陶悦窯 結晶金かすり φ5.5×5cm 西日本陶器 TC15-01 木箱付
有田焼は佐賀県有田町一帯を中心に生産されている磁器で、約400年もの歴史があり、1977年には伝統工芸品に指定されています。陶悦窯は十四代、400年続く有田焼の窯元です。器の個性を釉薬やデザインによって際立たせることを得意としています。
こちらのぐい吞みは、控えめな色をベースに、金を品よくあしらったゴージャスさがあります。ふっくらとしたフォルムなので、手のひらにきれいにはまりやすく持ちやすいのが特徴です。
お酒のまろやかな味わいを楽しめる錫製
錫のぐい吞みは、冷たいお酒との相性が良いです。冷酒やぬる燗が好きな方へのプレゼントにおすすめです。
錫製ぐい呑み 45ml 2客セット
江戸時代の後期に創業し、錫器の製作を専業とする「大阪錫器」のぐい吞みセットです。オールハンドメイドで作られているので、月に100個ほどしかできない貴重なものとなっています。錫に美しい赤と紫を施した2客セットです。
一般的に錫はさびにくいので、温かみのある光沢感や艶がいつまでも楽しめます。飲み口をやや厚めに仕上げていることで、柔らかな口当たりを実感できるでしょう。内側に付いた凹凸によって、ビールを注ぐと細やかな泡を生み出します。
ナガエ hiracleさくら錫ぐい呑み
Age Designがデザインプロデュースするブランド「hiracle」と、富山県の伝統産業「高岡銅器」の技術を受け継ぐ「株式会社ナガエとのコラボレーション」によって作られたぐい吞みです。昔から受け継がれる職人技、現代の技術、デザイン性の高さが見事に融合しています。
真上から見ると桜の花びらをかたどったデザインになっているので、お酒を注ぐと桜を浮かべたような楽しさがあります。春の贈り物としても最適です。
ぐい呑 みゆき【日本製 錫 伝統工芸品 正規取扱店】
こちらも「大阪錫器」のぐい吞みです。大阪錫器の製品は、国の伝統的工芸品「大阪浪華錫器」に指定されており、大阪浪華錫器を製造しているのは1社だけという貴重なものになっています。
こちらのぐい吞みの特徴は、カラーバリエーションが豊富なことです。白・黒というシンプルなものから、朱、青、黄、緑と鮮やかなものまで全6色展開となっています。単品でもセットにしてプレゼントしても良いでしょう。モダンなデザインなので、どのような料理にもマッチします。
艶感が魅力でお祝い事に向いている漆器製
和洋どちらの料理にも相性が良い漆器製のぐい吞みをご紹介します。漆器はしっとりとした艶のある質感が魅力的です。
漆薄手磁器 Lacquered Egg Ceramic ぐい呑ペア
1300年もの伝統を誇る美濃焼の産地、岐阜県多治見で1887年に「マルイ商店」として盃の販売を開始し、独創的な器をプロデュースすることで有名な「丸モ高木陶器」のペアぐい呑みです。卵の殻のように薄い磁器に、煌めくような艶の漆を吹き付けています。
漆器と磁器の伝統技術が融合され、釉薬では出せない美しい色合いが実現しました。縁起の良い金と銀の組み合わせのペアなので、お祝い事のプレゼントとしても最適です。
欅 ぐい呑み 朱蒔地木地呂
欅の木で作ったぐい吞みに、蒔地という技法を使って仕上げられています。蒔地とは、漆を塗り、珪藻土の粉を混ぜることによって丈夫にする手法です。木製で軽く、傷がつきにくいため、毎日の暮らしの中で気兼ねなく使えるでしょう。
熱が伝わりにくい素材なので、熱々のものを入れても持ちやすくなっています。お酒を楽しむのはもちろんのこと、日々の生活の中でコップとして使ったり、食器として使ったりするのにもおすすめです。
R47-32 国産木製拭漆 ぐい呑み 朱 黒 大 小 2P(袋付)
日本を代表する伝統工芸「山中漆器」のぐい吞みです。石川県加賀市の山中温泉地区で作られる山中漆器は、山中塗とも呼ばれ「塗りの輪島」「蒔絵の金沢」「木地の山中」として漆器の3大産地として名を馳せています。
こちらのぐい吞みは、黒と朱の大小のぐい吞みがペアになっており、携帯用の袋が付いている珍しい商品です。日本の伝統を感じさせる和のテイストと袋のモダンな組み合わせが楽しく、海外の方へのプレゼントとしても喜ばれるでしょう。
プレゼントにぴったりなぐい呑み選びはハレトケギフトで
ぐい吞みは、さまざまな素材で作られ、形やデザインも多くの種類があります。おしゃれでモダンな伝統工芸品は、いつもの暮らしが少しだけ丁寧に感じられ、創造の幅を広げてくれるでしょう。ぐい吞みは、昔ながらの職人技を用いながらも、現代の人にも使いやすいように作られています。お酒を飲むだけではなく、ほかの飲み物や料理にも使えるので使用範囲が広く、プレゼントとしても最適です。
ハレトケギフトは「ハレの日に心のこもった贈り物を」をコンセプトに、さまざまな伝統工芸品を販売しています。カテゴリや工芸品名から商品を探すこともできるので、プレゼント探しの際は、ぜひチェックしてみてください。